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永久保存版【膝の痛み】部位別まとめ

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膝の痛みを疾患の部位別にまとめました。

注:膝の痛みの部位別のまとめは、標準整形外科学の第12版圧痛部位をもとに作成しております。
あくまでも参考程度にご覧ください。

 

1.内側の膝の痛み

 

 

・滑膜ひだ障害(タナ障害)

膝関節腔内の隔壁の遺残として膝蓋大腿関節の内下方にあります。
この組織が肥厚、断裂を起こすことで膝の痛みや弾発現象が起こります。

・膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は外側に脱臼することが多く、内側支帯の損傷を起こすことがあります。
膝蓋骨内側縁に腫脹や圧痛、不安感を感じることが多いです。

・変形性膝関節症(内側型)

加齢に伴う関節軟骨の変性を基盤として、アライメント異常や肥満、関節の適合性不良などをきっかけに発生します。
多くは膝関節の内側に起こります。

・内側半月板損傷

膝関節の内側にある線維軟骨の損傷です。
損傷側に一致した膝の痛みを感じます。

・内側側副靱帯損傷

大腿骨顆部から鵞足のすぐ後方に付着する靭帯損傷です。
膝関節の靭帯損傷による膝の痛みでは最も多い疾患です。

・特発性膝骨壊死

膝関節を構成する骨が壊死する疾患です。
多くは膝内側に起こり、膝の痛みは夜間痛や歩行時痛も伴います。

・離断性骨軟骨炎

骨組織が関節軟骨とともに母床から離断するもので、成人型と若年型に分けられます。
発生部位の75%は大腿骨内側顆の顆間窩に起こります。

・鵞足滑液包炎

縫工筋・薄筋・半腱様筋の共同腱と内側側副靱帯のあいだにある滑液包に炎症を起こします。
膝関節内側の少し遠位部に圧痛や腫脹があり、屈伸時に膝の痛みを生じます。

・ステロイド関節症

頻回な膝へのステロイド注射により著明な関節破壊が起こる疾患です。
50歳以降の中高年者に多く、膝の脛骨内側顆に好発します。

 

2.外側の膝の痛み

 

 

・変形性膝関節症(外側型)

内側型に比べて少ないですが外側に変形が起こる場合もあります。

・外側側副靱帯損傷

大腿骨外側上顆から腓骨頭に付着する靭帯の損傷です。
軽症の場合大腿四頭筋の収縮によって安定性が代償されるため症状は少ないです。
膝の外側部に腫脹や痛みを伴います。

・腸脛靭帯炎

腸脛靭帯と大腿骨外側上顆との間で繰り返し摩擦を受けることで炎症により膝の痛みが生じます。
膝の屈伸を繰り返す人に多く、ランナーや自転車競技者に好発します。

・外側半月板損傷

膝関節内の外側にある線維軟骨の損傷をいいます。
損傷側に一致した膝の痛みが起こります。

・半月板嚢腫

成因はまだ不明ですが半月板にムコイド変性が認められる疾患です。
内側:外側=1:4で外側半月板に好発し、断裂がみられることもあります。

 

3.後側の膝の痛み

 

 

・膝窩嚢胞(ベイカー嚢腫)

腓腹筋の内側腱下にある滑液包が約50%前後の頻度で関節腔と交通していることがあります。
関節炎などがこの滑液包に波及し嚢腫を形成したものを膝窩嚢胞といいます。

・腓腹筋頭炎

腓腹筋の頭部は膝窩部に付着するためこの部位に負担がかかると炎症を起こし膝の痛みが生じます。

・後十字靭帯損傷

大腿骨に対して脛骨が後方に移動するのを抑制する靭帯の損傷です。
前十字靭帯損傷に比べて症状も軽く運動が可能なこともあります。
脛骨付着部の損傷では膝窩部に圧痛を認めますが必ず確認されるわけではありません。

 

4.下側の膝の痛み

 

 

・シンディング・ラーセン・ヨハンソン病

膝蓋骨下端部に骨片や石灰化などが生じる疾患です。
青少年期に多く、両側に起こることが多く、オスグットシュラッダー病との合併もみとめられることがあります。

・ジャンパー膝

膝蓋腱炎ともいわれ膝蓋骨の下方にある腱の炎症をいいます。
他にも膝蓋骨上方にある大腿四頭筋腱の炎症も含むため、膝の上方部に痛みを起こすこともあります。

 

5.前側の膝の痛み

 

 

・有痛性分裂膝蓋骨

膝蓋骨の一部が本体より分離したものを分裂膝蓋骨といいます。
分裂膝蓋骨のみでは痛みは生じませんが痛みが起こるものを有痛性分裂膝蓋骨といいます。
思春期の男性に多く圧痛や叩打痛を認めます。

・膝蓋大腿関節症

外傷やアライメント異常により膝蓋骨と大腿骨の関節面に異常が起こることを膝蓋大腿関節症といいます。
主に膝屈伸時の痛みや腫れを伴います。
不安定感が主訴の場合は膝蓋大腿関節不安定症と呼び、脱臼・亜脱臼の要因がある人に多いです。

・膝蓋前滑液包炎

膝蓋骨の前面にある滑液包が繰り返しの圧迫刺激により炎症が生じることをいいます。
床に膝をついて作業する人に多く、稀に膝をついて転倒した場合に起こることもあります。

 

6.痛みの部位が特定しにくい膝の疾患

 

 

・化膿性膝関節炎

手術や関節注射や血行性、他の化膿性骨髓炎の波及により、膝関節に細菌感染を起こし、膝関節内に化膿を起こす疾患です。
急激な膝の痛みが起こり、腫れや発赤熱感が著明です。
全身症状では発熱や悪寒を伴うこともあります。

・前十字靭帯損傷

大腿骨に対して脛骨が前方に移動するのを抑制する靭帯の損傷をいいます。
関節内の靭帯であるため関節血腫を認め、膝全体に痛みがあり、その他にも不安定感や屈伸時の膝の痛みが生じます。
前十字靭帯損傷時に半月板や側副靱帯などを損傷することもあり、放置していると外傷性変形性膝関節症となることもあります。

・関節リウマチ

関節リウマチにおいて膝関節の罹患頻度が高く、64%の関節リウマチ患者が罹患します。
膝関節がびまん性に腫れ、運動時に膝の痛みがあり、膝関節の屈伸が制限されます。
膝窩嚢胞(ベイカー嚢胞)を伴うこともあり、膝窩部に腫瘤を認めます。

・偽痛風

痛みの生じかたが痛風に似ていて、尿酸結晶は棒状あるいは菱形のことから偽痛風と命名されました。
70歳前後の高齢者に多く、好発部位として膝関節の痛みが最も多く、次いで肩・足・手・股関節となります。

・痛風

基礎的に高尿酸血症があり、関節内に尿酸が沈着すると激しい疼痛と腫れ、発赤が生じる疾患です。
青壮年期の男性に多く、足の母趾基関節に急性炎症を生じることで有名ですが、その他にも膝・足・にも起こります。
発赤はそれほど著明ではありませんが、痛みや腫れ、全身的には微熱を伴うこともあります。

・神経原性関節症

神経障害により痛覚や深部感覚などの関節防御機構が破綻し、関節の支持組織や関節内骨折が反復する疾患です。
足関節や足部、膝、股関節に多く発生します。

・色素性絨毛結節性滑膜炎

原因不明の腫れと痛み、関節血腫を伴う疾患です。
半数以上が膝関節に発症します。
成人各年層に発生し、20~50歳代までに頻度が高く、10代ではきわめて稀です。
寛解と増悪を繰り返し、症状は比較的軽度なことが多いです。
関節軟骨や骨の損傷をきたすと強い膝の痛みが生じます。

・血友病性関節症

血友病A(第Ⅷ因子欠乏症)および血友病B(第Ⅸ因子欠乏症)などによる関節障害をいいます。
外傷の既往なく関節内とその周囲に出血が起こります。
膝の痛みは最も発症しやすく、次いで肘、足関節にみられます。
血友病の発生頻度はAB含めて10万人に約7人で、血友病AはBに対して約6倍以上の頻度で発生すると言われています。

・滑膜性血管腫

膝関節の滑膜組織内に発生する血管腫です。
稀な疾患で、10歳代~40歳代に発生しますが若年者に最も好発します。

・滑膜性骨軟骨腫症

原因は不明ですが、滑膜組織内に多数の軟骨が生じる疾患です。
これが成長し関節内に遊離します。
20歳代~40歳代の男性に多く、膝関節に最も多いです。

・半月骨化症

病因は不明ですが半月板内に骨組織を認める稀な疾患です。
半月板損傷に伴って症状が生じます。

 

 

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