膝の痛み
10.62017
膝の前の痛みと膝が曲がらない膝蓋前滑液包炎の症状・原因・治療まとめ
1.膝蓋前滑液包炎について
膝にあるお皿(膝蓋骨)の前にある袋状の塊で、主に衝撃や摩擦などから守るためにあります。
この滑液包が外傷や感染によって腫れたり、痛みが起こることを膝蓋前滑液包炎といいます。
別名:女中膝といわれ繰り返し膝のつく作業により圧迫を受け痛みが起こります。
2.膝蓋滑液包について
あまり聞きなれないですが、膝にあるお皿と皮膚の間にあります。
役割としては、
・皮膚と骨が擦れないようにする
・衝撃の吸収
などがあります。
3.膝蓋前滑液包炎の症状
繰り返しの刺激により起こるものを単純性といいます。
細菌感染によるものを感染性といいます。
感染性の場合では炎症反応が強くでるため単純性より症状が強く出ます。
◆単純性
・膝の痛み
繰り返しの外力により膝に痛みを感じます。
膝の動作には問題ない場合が多いです。
・腫れ
軽度の腫れがあります。
しかし発赤や熱感などはありません。
◆感染性
・膝の痛み
膝を曲げる際に痛みが生じます。
・発赤
炎症により皮膚が赤くなります。
・腫れ
膝蓋粘液腫とも呼ばれるように滑液包内に水が溜まります。
・熱感
炎症により膝を触ると熱を感じます。
4.膝蓋前滑液包炎の原因
◆単純性
繰り返し膝に圧迫が加わる動作で受傷します。
また外傷により膝に負担がかかり発症することもあります。
◆感染性
膝の前滑液包炎に細菌感染が起き発症します。
単純性より症状が強いのが特徴です。
稀にかすり傷や転倒などの外傷後に感染することもあります。
◆膝蓋前滑液包炎が多いスポーツや職業一覧
・柔道
・家政婦
・転倒
・事故
・バレーボール
これらの膝に圧迫が加わりやすい動作が多いスポーツや職業に多いです。
5.膝蓋前滑液包炎の検査と診断
◆触診
膝蓋前面に扁平な腫れが認められます。
著名な波動を触れることもあります。
◆画像検査
石灰の沈着が起きていないかレントゲンにて検査します。
6.膝蓋前滑液包炎の鑑別
膝前面に痛みが起こりやすい疾患が多いです。
◆有痛性分裂膝蓋骨
膝蓋骨に負荷が掛かり分裂する病気です。
詳しい原因はわかっていませんが、スポーツや外傷をきっかけとして痛みが起こります。
◆滑膜ひだ障害(タナ障害)
胎生期にある滑膜のひだが遺残したものを滑膜ひだといいます。
これが膝蓋骨と大腿骨の間に挟まれ発症します。
◆膝蓋大腿関節症
繰り返しの膝の屈伸などにより負荷が掛かり炎症が起こります。
◆膝蓋軟骨軟骨化症
比較的若年者にみられる病気で、膝蓋骨にある軟骨に亀裂や膨隆、軟化がみられます。
7.膝蓋前滑液包炎の治療
単純性では基本経過観察となります。
細菌による感染の場合は抗生剤などの薬を投与します。
◆保存療法
・安静
原因となる動作の中止します。
・固定
単純性の場合ほとんど固定しません。
感染性の場合は注射後、包帯にて軽度固定を行います。
・注射
滑液包内に水が溜まり腫れている場合は注射により水を抜きます。
・薬物療法
炎症を抑える薬
単純性で痛みが強い場合は、滑液包にステロイド剤(炎症を抑える薬)を穿刺します。
細菌に対する薬
感染性の場合抗生剤を滑液包内に投与します。
◆手術療法
・摘出術
痛みが慢性化する場合や、症状が改善しない場合は滑液包を摘出する手術を行います。
8.膝蓋前滑液包炎の予後と後遺症
基本予後は良好です。
原因に応じた治療を行えば軽快していきます。
しかし、職業やスポーツによるものでは膝をつく動作が避けられないことがあります。
できるだけ膝に圧迫力がかからないようにすることが重要です。
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