膝の痛み

膝関節の痛みと腫れ【内側半月板損傷】の症状・原因・治療

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1.内側半月板損傷とは

膝の関節内の内側にある軟骨の損傷を内側半月板損傷といいます。
若年者ではスポーツでの損傷が多いです。
中高年者では加齢により半月板の変性が起こり、軽微な外力での損傷も起こります。
受傷時には膝の痛みや関節内の腫れ、膝を動かせなかったり、体重をかけられなくなったりすることもあります。
スポーツの受傷時には前十字靭帯損傷や内側側副靱帯損傷も同時に損傷を受けやすいことから、「不幸の三徴候」と呼ばれています。

 

2.内側半月板損傷の症状

◆膝関節の痛み

スポーツなどの急激な外力による損傷では激痛が伴います。
慢性的なものであれば痛みは軽度となります。

◆膝関節周囲の腫れ

関節内に血や水が溜まり、全体的に腫れます。

◆運動時痛

動かした際に痛みがでます。
荷重時にも痛みがあるため歩行が困難となります。

◆可動域制限

急性期では痛みのために膝を動かせなくなります。
半月板が関節内で挟まり、ある角度から動かせなくなります。
これをロッキング(嵌入)症状といいます。

◆筋肉の萎縮

慢性的な損傷を繰り返している場合では、痛みを避けるために偏った荷重となります。
そのため、患側の太もも前の筋肉(大腿四頭筋)を使わないために、筋肉が痩てきます。

 

3.内側半月板の構造と役割

コラーゲン線維からなる線維軟骨で、中心部になるほど血管が乏しいため修復されにくいのが特徴です。
体重は内側にかかりやすく、内側:外側比6:4となります。

 

 

◆構造

大腿骨と脛骨の間にあるC型をした線維軟骨です。

◆役割

・衝撃の吸収
・関節の運動を潤滑作用
・関節の適合性を上げ安定させる
などがあります。

 

4.内側半月板損傷の原因

膝関節が捻じられるような動作で半月板を損傷します。
スポーツ時では、
・ジャンプの着地時
・膝を曲げながら捻る動作
・膝にタックル受ける
・水泳の平泳ぎ
などにより受傷することが多いです。

中高年では半月板に変性が起こっていることが多いため、
・歩行中の方向転換
・階段の昇降
・膝崩れは起きた際
などの、軽微な外力で半月板が損傷を受けます。

小児の場合、半月板の形態異常(円板状半月)を基礎として損傷を受けることもあります。
円板状半月とは、生まれつき半月が大きく分厚いため、関節の中で引っかかりやすくなります。
外側の半月板を損傷することが多いです。

◆損傷を受けやすいスポーツ一覧

・バスケ
・バレー
・体操
・サッカー
・テニス
・野球
・スキー

◆損傷形態による分類

半月板の損傷の型によって分類が異なります。
主に以下の分類があります。

 

引用文献:標準整形外科学 第7版

 

この他にも変性断裂というものがあります。
これは中高年に多く、加齢に伴う半月板への負担によって半月板が変性し、軽微な外力により損傷を受けます。

 

5・内側半月板損傷の検査と診断

◆触診

受傷側の関節裂隙に、圧痛を認めることがあります。

◆画像検査

レントゲンでは軟骨は写らないため、骨の異常がないか検査します。
MRIでは半月板の損傷度合いや、他の靭帯損傷の有無を確認します。

◆マックマレーテスト

仰向けで股関節を最大屈曲させます。。
検者は膝と足部を把持し、内旋または外旋方向に力を加えながら徐々に伸展していきます。
この際に内側部に痛み、クリック音の触知があれば陽性となります。

◆圧迫アプライテスト

うつ伏せで膝関節を90度に曲げます。
下腿の長軸方向に圧をかけながら内外旋します。
この際に内側に痛みがあれば陽性となります。

 

6.内側半月板損傷の一般的な治療

基本的に保存療法が選択されます。
日常生活やスポーツで支障が出る場合は手術を選択されることもあります。

◆保存療法

・安静
受傷直後は基本安静にします。

・固定
ギプスや装具などで固定します。
テーピングや包帯なども使うことがあります。。
荷重をかけないように松葉づえを使用します

・アイシング
受傷直後は膝の周囲を冷やし炎症を抑えます。

・物理療法
他の筋肉が固くならないように低周波などの機器を用いて筋肉の弛緩を促します。

・薬物療法
痛みが強い場合は炎症や痛みを抑える薬が処方されます。

◆手術療法

内側半月板の切除術や縫合術が行われます。
関節内に遊離体がある場合はそれを排除します。

 

7.内側半月板損傷の鑑別

◆前十字靭帯損傷

スポーツなどでは下腿が固定され、大腿骨が押される力と回旋が加わって損傷されることが多いです。
内側半月板損傷と似た受傷機転のため鑑別が必要です。

◆内側側副靱帯損傷

スポーツなどで膝を捻った際に受傷します。
膝の内側にある内側側副靱帯の損傷をいいます。
内側半月板損傷と似た受傷機転のため鑑別が必要です。

◆変形性膝関節症

中高年に多い疾患です。
膝関節の変形が起こり、痛みや関節内の腫れが認められます。
多くは膝の変形とともに半月板の変性もみられます。

 

8.内側半月板損傷の予後と後遺症

保存療法の場合、血行の良い辺縁部の損傷で、断裂も軽度であれば治癒するとされています。

手術療法の場合、切除のみであれば早期からリハビリを開始し、縫合術では4週間ほどで全体重をかけられます。
スポーツ復帰の目安としては約6ヶ月です。

 

 

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