an's diary 杏の日記, 膝の痛み
10.142017
膝の曲げ伸ばしが痛い【分裂膝蓋骨(二分膝蓋骨)】の症状・原因・治療
1.分裂膝蓋骨とは
膝蓋骨の一部が分裂した状態をいい、骨片が1つある二分膝蓋骨が最も多いです。
分裂があるからといって必ず痛みを伴うわけではありません。
痛みを伴う場合は有痛性分裂膝蓋骨といいます。
主に思春期の男性に多く、膝の痛みや動作に伴う痛みなどの症状が起こります。
2.分裂膝蓋骨の症状
◆膝の痛み
膝蓋骨の分裂部に炎症が起き、ズキズキした痛みを伴います。
◆曲げ伸ばしに伴う痛み
膝の曲げ伸ばしにはお皿が押し付けられるような力や、筋肉の牽引力が加わります。
そのさいに痛みが起こります。
◆ジャンプやしゃがむ動作での痛み
膝の曲げ伸ばしの反復動作を行うため、さらに負担がかかり痛みが起こります。
◆圧痛
押さえると痛みが起こります。
分裂部に一致した圧痛がみられます。
◆関節水腫
炎症が起こると膝の関節内に水が溜まります。
◆動作時のひっかかり・雑音
膝蓋骨と大腿骨が擦れて引っかかるような症状や、音がなることがあります。
3.分裂膝蓋骨の原因
明らかな原因は分かっていませんが、膝蓋骨が成長段階でしっかり癒合していないことや疲労性の骨折が考えられます。
事故や転倒などにより膝蓋骨部を打撲などがきっかけとなり発症します。
またスポーツで膝に負担が大きくかかることにより発症します。
◆分類
引用文献:神中整形外科学 改定22版
分裂の仕方は2つに分かれるだけでなく複数の場合もあります。
部位としては内側・外側・上方・下方と様々です。
◆発生しやすいスポーツ一覧
・野球
・ソフトボール
・サッカー
・バレー
・バスケットボール
・陸上競技
・ラグビー
これらの膝によく負担のかかる競技に多く発生します。
4.分裂膝蓋骨の検査と診断
◆触診
分裂を起こしている部分に圧痛や叩打痛がみられます。
注:骨を叩いたときに響くような痛みがあることをいいます。
◆画像検査
レントゲンにて検査します。
5.分裂膝蓋骨の一般的な治療
◆保存療法
・安静
まず炎症が起き痛みがある場合はスポーツなどを中止し、安静にします。
・アイシング
炎症部位を冷やします。
・固定
包帯やサポーター、テーピングなどで安静を保ちます。
・薬物療法
湿布や消炎鎮痛など痛みを抑える薬が処方されます。
・温熱療法
急性期には安静ですが、経過をみながら筋を温め緊張を弛めるようにします。
・再発の予防
スポーツ前後のウォーミングアップ・クールダウンを行います。
他にも筋トレや筋肉のストレッチなどが指導されます。
◆手術療法
・分裂膝蓋骨摘出術
分裂している膝蓋骨を摘出します。
6.分裂膝蓋骨の鑑別
◆膝蓋大腿関節症
膝蓋骨と大腿骨は関節を成しています。
その関節に負担がかかり炎症が起こります。
◆膝蓋骨軟骨化症
膝蓋骨に軟化が起こる病気です。
詳しい原因は分かっていませんが、スポーツなどの膝に負担のかかる人に多いです。
◆滑膜ひだ障害(タナ障害)
胎生期にできる滑膜のひだが退化せずに残ります。
それが膝蓋骨と大腿骨の間で挟まり痛みがおこる病気です。
◆前膝蓋骨滑液包炎
膝蓋骨の前にある滑液包が何らかの理由で炎症が起き痛みが起こります。
膝をつくような姿勢でおこることが多く、細菌感染でもお起こります。
7.分裂膝蓋骨の予後と後遺症
予後は良好です。
分裂していても症状が無い場合もありますが、運動量の多くなる小・中・高校生では一度症状が治まっても再発を繰り返すこともあります。
無理な運動や膝に負担のかかる動作は控えた方が良いです。
運動前後のウォーミングアップ、クールダウンを心掛け、日常でも深く膝を曲げるような動作を少なくしましょう。
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