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大腿骨顆上骨折の症状・原因・治療まとめ

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1.大腿骨顆上骨折について

 

 

大腿骨の遠位部(膝関節の上部)の骨折をいいます。
主に車やバイクでの事故やスポーツなどでの強力な衝撃により受傷します。
骨粗鬆症のある高齢者では、正座のような形で転倒すると受傷することもあります。
腫れや痛みなどの症状が強く、神経障害や動脈の損傷を合併することもあるため、多くは手術が選択されます。
転位がごくわずかな場合や、骨折端部が噛み合うような折れ方をしている場合は保存療法となることもあります。

 

2.大腿骨顆上骨折の症状

◆骨折部の激しい痛み

受傷直後は骨折部周囲に激しい痛みが起こります。

◆高度な腫れ

膝周囲に高度な腫れが認められます。
膝窩動脈という動脈の断裂を合併することもあり、腫脹部に拍動が認められることもあります。

◆可動域制限

骨折の転位や方向や痛みにより膝を動かせなくなります。
受傷直後から患肢に体重をかけられなくなり、歩行が出来なくなります。

◆循環障害

骨折時に動脈の断裂や高度な腫脹による圧迫を受けた場合循環障害が起こります。
下肢の冷感が認められ、放置すると下肢が壊死することもあります。

◆神経障害

膝周囲を通る神経が圧迫・断裂を受けた場合下腿の痺れや感覚障害が起こります。

 

3.大腿骨顆上骨折の原因

大腿遠位部に強力な衝撃が加わり骨折します。
多くは車やバイクによる事故、労働中やスポーツ時に起こります。
骨粗鬆症のある高齢者では膝を衝くように転倒すると骨折することもあります。

多くは複数の骨折線が認められる粉砕骨折となることが多いです。
骨折端部が皮膚を突き破ることもあるため緊急手術が必要となります。

◆大腿骨顆上骨折の分類

受傷時の力のかかり方や転位方向によって様々な分類があります。

・屈曲型

膝が曲がったまま受傷すると屈曲型になりやすいです。

 

◇骨折線
前方から後上方に入ります。

◇転位方向
近位骨片:大内転筋・大腿四頭筋によって前内方に転位します。
遠位骨片:腓腹筋によって後方に転位します。

骨折端部が重なるため見かけ上患側の短縮がみられます。

・伸展型

膝が伸ばされた状態で衝撃が加わると伸展型となりやすいです。

 

◇骨折線
後方から前上方に入ります。

◇転位方向
近位骨片:後方
遠位骨片:前方

・AO分類

近年では大腿骨顆上・顆部骨折をまとめて分類したAO分類が一般的となっています。

 

引用文献:標準整形外科学 第12版

 

4.大腿骨顆上骨折の検査

◆視診

骨折部の変形がみられ、見かけ上患肢の短縮が起こります。
転位が少ない場合や噛み合うような骨折(噛合骨折)では変形が認められないこともあります。

◆画像検査

レントゲンで検査を行い骨折と判断します。
CTなどで骨折部の転位方向を確認することもあります。

 

5.大腿骨顆上骨折の一般的な治療

主に手術が適応となりますが、手術ができない状態や必要のない場合は保存療法が選択されます。

◆保存療法

・整復
鋼線を用いて直接骨折部の牽引を行い整復します。

・固定
膝を軽く曲げた状態で大腿上部から足部までギプスで固定します。

・運動療法
固定期間が長いため膝関節周囲の筋が痩せて硬くなるため、急性期を避けて早期に運動を行います。
骨癒合の状態をみながら徐々に膝関節周囲を動かしていきます。
さらに部分体重歩行から全体重歩行へと積極的に運動を行います。

手術をして固定性が良ければ手術翌日から他動的に運動を行います。

◆手術療法

スクリューやプレートを用いた手術が行われます。

 

6・大腿骨顆上骨折の合併症

◆膝窩動脈損傷

高度な腫れによる圧迫や骨折端部が動脈を傷つけることがあります。
そのため下腿部の冷感や血流障害により阻血性拘縮を起こすことがあります。

◆神経障害

受傷時に神経損傷を伴うと、感覚障害や筋の麻痺がおこります。

◆軟部組織損傷

強力な外力により半月板や膝周囲の靭帯の損傷を伴うことがあります。
転位方向によっては骨折端部が筋を傷つけることもあります。

 

外側半月板損傷についてはこちら

内側半月板損傷についてはこちら

7・大腿骨顆上骨折の予後と後遺症

保存療法の場合、骨折部の変形や拘縮により可動域制限を残すことが多いです。
高齢者では長期間の固定が必要となるため褥瘡や肺炎、関節の拘縮などの続発症に注意します。

強力な外力による骨折では動脈や神経の損傷も合併するため、それに応じた治療が必要となります。
手術後の固定性が良ければ早期に運動を開始し、続発症の予防や可動域の改善を積極的に行います。

 

 

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