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つわりを軽減するツボ「内関(ないかん)」の危険性について

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都島の鍼灸院、杏総合治療所の研修生しょーじです。

 

現在、多くの病院ではつわりに対する治療は行われません。

「つわりは病気ではないとされている」ということと、妊婦さんへの治療は高リスクを伴うということがあるからです。

そこで、一般には安全であるとされている鍼灸を選択される方も多いようです。

しかし、安易に妊婦に鍼灸をするという事は、多くの危険も伴うという事を知って欲しいというのが、今回の記事の主旨です。

 

経穴(ツボ)の選び方の誤解

鍼灸で使う「ツボ」について、よく誤解されていることがあります。

それは、「この症状にはこのツボ」というように、まるで西洋医学の薬のような感覚で使えると思われているということです。

最初に言っておくと、東洋医学のツボの選定はそのようなものはありません。

専門家が問診や検査によって、たくさんの材料を集め、それらを統合して、初めてツボを決定することができるのです。

 

「つわりには内関(ないかん)」

つわりで困った経験がある方は、「つわりには内関」というのを聞いたことがあるかも知れません。

ネットで「つわり 対策」、「つわり 軽減」と検索すると、「つわりには内関」という記載が多く見られます。

つわりだけでなく、車酔いに効くと紹介されたり、グッズがあったりします。

しかし、ざっと見ただけですが、正規の東洋医学の教育を受けた人の記述は皆無のようです(違ったらごめんなさい)。

そのため、鍼灸や東洋医学が持つ危険性に対する認識が乏しいように見受けられます。

これを真に受けて、他人にツボ押ししたり、手近な治療院に飛び込んで「内関に針して下さい!」なんて事は大変危険です。

まともな治療者は断るか、取り合わないと思いますが…。

 

「内関」というツボ

まず、内関というツボが鍼灸において、どういうものであるか「針灸経穴辞典」で見てみましょう。

 

【位置】手のひら側の手首のしわに、薬指、中指、人指し指を順番に当て、人指し指の側面で、手首の中央にある2つ腱の間に取ります。

【作用】寧心安神・鎮静止痛・理気和胃

【主治】心部痛、動悸、胃痛、嘔吐、不眠症、めまい、中風、てんかん、熱病、月経不順、産後の急性脳虚血の類、肘や腕の痙攣・痛み

(参考文献:天津中医学院 季丁(1986)「針灸経穴辞典」(浅川要ほか訳)東洋学術出版社)

 

以上のように、嘔気(吐き気)、嘔吐や胃痛などつわりの一般的な症状に対応している経穴であることは間違いありません。

しかし、内関が所属する「手厥陰心包経」という※経絡は、心身の調節作用を行っている繊細で敏感な経絡です。

そのため、確実な東洋医学的診断と精緻なテクニックを要求されます。

そして、好ましくない反応が出現したときに迅速かつ的確な対応を必要とされる経絡といえます。

そもそも、嘔気は、延髄(えんずい)の嘔吐中枢に様々な原因による刺激が加わることで起こります。

それを止め得るという事は、それだけで高度であり繊細な治療部位であることが分かるでしょう。

※経絡:長い年月をかけて体系付けられた体内の状態が体表に反映される部位(経穴:ツボ)がグループ分けされたもの。線で表される。

 

 

 

 

 

「内関」とVVR(血管迷走神経反射)

内関の鍼治療によって、「VVR(血管迷走神経反射」という反応が起こることがあります。

身体に針を刺入するとどこでもVVRは起こり得るのですが、「内関」は繊細なため特に起こりやすツボです。

VVRとは迷走神経への刺激により起こる自律神経反射です。

具体的には、下記の症状が起こります。

 

◆血圧の低下

◆脈拍の低下

◆意識消失

◆痙攣

◆失禁

◆顔面蒼白

◆冷や汗

◆悪心

◆嘔吐

◆めまいなど

 

お気付きでしょうか?

「内関」の主治(治せる作用)とVVRの症状が似ていませんか?

ツボと言うのは基本的にそうしたもので、テクニック次第でプラスにもマイナスにも働くものです。

つまり、稚拙な技術の治療者は、スイッチを押し間違えることがあるのです。

もし、上記のような症状が妊婦に起こったら?

軽度であれば、多くは安静にしていればじきに回復します。

しかし、適切な対応を怠れば危険な状態に陥ることも十分考えられます。

きちんと学んだ鍼灸師は、的確な対応だけでなくリカバリーの方法も持っています。

 

「曲沢(きょくたく)」の事例

また、同じ手厥陰心包経に所属する「曲沢(きょくたく)」というツボがあります。

このツボは、採血する際に注射を刺す部位と重なることがあります。

そのため、病院でも採血時にVVRがよく起こります。

それ以外に、妊婦さんの採血の際に「RSD」が起こったという事例があります。

RSDとは、事故や手術の後に、その部位が腫れたり、きっかけとは不釣り合いな激しい痛みが出る神経反射です。

採血を行ったのは知識も経験も技術も豊かなベテランの医師でした。

何かを間違えたわけでもありませんが、このような人体の反応が出ることがあるのです。

 

まとめ

このように手厥陰心包経は、内関や曲沢のように繊細な作用を起こすツボが並んでいる経絡です。

ですから、勉強している鍼灸師は安易には使いません。

「つわりには内関」という理由では使いません。

初めに述べたように、問診や詳しい東洋医学的検査で全身の情報を集め、総合的に判断します。

そして、ベネフィットとリスク、自らの技量とを鑑みてツボを決定します。

結果、適切でないと判断すれば、「内関」以外のツボを選びます。

まともな鍼灸師はこのように施術するものなのです。

 

もちろん、ツボに鍼灸や指圧をすれば必ず反応が起こるものではありません。

反応を起こすには、様々な条件があります。

それを意図的に揃えるのが”技術”なわけですが、偶然、条件が揃うことがあります。

意図していた場合は、少々間違っても自分が何をやったのか分かっているのでリカバリーも出来ます。

しかし、意図せず”偶然に揃ってしまった場合”は対応できません。

下記リンクを参考に後悔しないために良い鍼灸院をお選びください。

 

今回は、さんざん鍼灸治療の危険性について述べました。

しかし、それは拙い鍼灸師が自らの分もわきまえず安易に治療した場合の話です。

きちんと学んだ鍼灸師が治療すれば、

これほど自然で安全で効果的な治療法は無い

と言えるのもまた事実なのです。

それが、しょーじを始め、杏の研修生たちが勉強し続ける理由なのです。

 

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