目の病気

目のかすみ(視力減退)の原因と分類と対策【東洋医学タイプ分類】

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1.視力減退・目のかすみとは?

視力が低下して、ものがはっきり見えないことで、東洋医学では「目昏(もくこん)」と言います。
俗に「目がかすむ」「かすみ目」などとも表現されるものです。

 

2.分類

東洋医学的には目のかすみを以下の6のタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

2-1.風痰上擾タイプ








 

2-2.肝鬱気滞タイプ






 

2-3.心肝血虚タイプ






 

2-4.脾虚気陥タイプ







 

2-5.肝腎陰虚タイプ








 

2-6.腎陽虚タイプ








 

3.解説とワンポイントアドバイス

3-1.風痰上擾タイプ

【解説】
余分な水分が胃腸に停滞し、神経のめぐりが悪くなることで起こります。
目のかすみの他に、頭が重い、めまい、胸やけ、嘔吐など症状を伴うことが特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
カラダに余分な水分がたまらないようにすることが大切です。
胃腸が弱ると、水分代謝が悪くなるため、胃腸に負担をかけないように気をつけましょう。
まず、お刺身やサラダなどの生ものや冷たいものの食べ過ぎは控るようにします。
さらに、よく噛んで食べること、ながら食べしない、寝る2,3時間前には夕食を食べ終えるようにしましょう。
煮たり、焼いたり、蒸したり…よく火を通し、手をかけたものを食べるようにしてください。
ハトムギ荼はカラダの中の余分な水分を排出するはたらきがあるため、おすすめです。

 

3-2.肝鬱気滞タイプ

【解説】
心配事や悩み事によってカラダのめぐりが悪くなったために起こります。
特徴は両脇や眼が張るような感覚があったり、情緒が抑うつされると、目の症状が増悪することです。

 

【ワンポイントアドバイス】
心配事や悩みごとが解消されることが根本療法になります。
しかし、なかなか解決しない問題の場合は、カラダを動かすようにしてください。
根本療法にはなりませんが、カラダの問題は解消することができます。
運動後にすっきりするような自分に合った運動を選んで試してみて下さい。

 

3-3.心肝血虚タイプ

【解説】
東洋医学でいう「肝血」と「心血」は目を栄養するために必要なはたらきの一つです。
これらが不足することによって目のかすみが起こるタイプが心肝血虚タイプです。
特徴は目の乾燥感、不眠、顏色につやがないなどの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
肝血、心血が不足理由は以下のような理由が考えられます。
①生まれつき少ない体質
②消化器系が弱く、生成できない
③目の使い過ぎによる消耗
④イライラや心配事による消耗
⑤出血や慢性病による消耗

 

①の場合は、目の使い過ぎやイライラなどによる消耗を防ぎましょう。
②の場合、消化器系に負担をかけないようにしてください。
具体的には冷たいものや生ものの多食は避け、よく火を通したものをよく噛んで食べるようにしてください。
また、東洋医学では手足をよく動かすことによって、胃腸が強くなると考えます。
③の場合は、消耗を最小限に出来るよう工夫してみて下さい。
④の場合は、それらを解消できたら一番良いのです。しかし、それが難しい場合はカラダをよく動かしてください。
⑤の場合は、病気の治療を優先させてください。

 

3-4.脾虚気陥タイプ

【解説】
東洋医学でいう「脾(ひ)」はエネルギーを作り、動かし、全身に行き渡らせるはたらきがあります。
現代医学でいうところの消化器系のはたらきを含んでいます。
しかし、思慮の過度、飮食の不摂生、大病などにより「脾」のはたらきが弱ります。
それによって、目が栄養されないために起こる目のかすみです。
特徴は息切れ、元気がない、ものを言うのがおっくうなどの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
消化器系に負担をかけないようにし、脾のはたらきを養っていく必要があります。
生ものや冷たいものの多食は避けてください。
よく火を通したものをよく噛んで、食べるようにしましょう。
また、寝る2,3時間前には夕食を食べ終えるようにしてください。
食後すぐに寝ると、消化器系が弱るだけでなく、睡眠の質も下がります。
さらに、手足をよく動かして、運動するようにすると、徐々に胃腸が強くなります。

 

3-5.肝腎陰虚タイプ

【解説】
目を栄養する精血(せいけつ)が不足することで起こります。
精血は心血や肝血の原料にもなるものであるため、目のかすみだけでなく、視力の低下も起こすようになります。
その他の症状として、口が渇く、腰や膝がだるく力が入りにくい、手足のほてりなどがあります。

 

【ワンポイントアドバイス】
遅くとも23時には寝るようにしてください。
このタイプはカラダに熱を持った状態になっていますが、良い睡眠をとることによって、カラダをクールダウンさせることができるようになります。
良い睡眠とは、以下の条件をすべて満たしている睡眠です。
・23時には寝ている
・寝つきがよい
・途中目覚めない
・夢を見ない
・寝起きが良い。

良い睡眠を摂るためには昼間にカラダをしっかり動かしていることが重要です。
デスクワークの方は頭だけ疲れている場合が多いです。寝つきが悪い場合は思い切って、散歩に出かけた方が寝られるかもしれません。

 

3-6.腎陽虚タイプ

【解説】
過労、老化、慢性病などにより、カラダを温めるはたらきが低下し、目を栄養できないために起こる目のかすみです。
特徴は視力減退とともに、寒がる、手足が冷える、夜間多尿などの冷えの症状が出ることです。

 

【ワンポイントアドバイス】
過労、老化、慢性病に共通しているのは、「体が疲れている」「弱っている」ということです。
カラダの疲れをとり、体力を回復していくのに必要なのはなんといっても質の良い睡眠です。
遅くとも23時は寝るようにしてください。
睡眠時間の長さではなく、時間帯が重要です。
諸説ありますが、23時から1時までの間はカラダを修復させるホルモンが出るため、その時間帯は外さないようにしましょう。
寝つきが悪い場合は、昼間の運動量が足りない場合が多いです。
昼間は少しずつでもカラダを動かすように心がけましょう。

 

4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 下巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

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