感染症, 湿疹, 痛み, 神経障害, 背中の痛み, 胸の痛み

ピリピリ・チクチク、痛みと痒みの湿疹【帯状疱疹】症状・原因・治療まとめ

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1.帯状疱疹について

帯状疱疹とは背中や胸に帯状の疱疹(ほうしん)ができることをいいます。
他にも肩や腕、腰などの全身にも起こります。
原因は昔水痘にかかったことがあり、免疫力の低下などをきっかけにこれらのウイルスが再活性化することで発症します。

人口1000人辺りに対して年間4人程度に起こり、年齢とともに発生頻度は高くなります。
70歳代でピークとなり、約8人にまで達します。
女性の方がやや多く、季節は夏に多いと言われていますが、どの季節にも起こり得ます。

症状は様々で、極めて強い痛みや痺れを伴うものから、痒み(かゆみ)程度のものもあります。
痛みを感じ始めてから皮膚に疱疹ができますが、症状が軽度な場合もあるため気づかないこともあります。

治療は抗ウイルス薬や痛みを抑える鎮痛薬を主に処方されます。

帯状疱疹にかかった人の約10%は帯状疱疹後神経痛という症状が残り、その後も痛みが続くため治療が続行します。

このウイルスによる初回感染は水痘となり、まだ水痘に感染していない乳幼児には感染する可能性があります。
成人に感染することはないとされています。

 

2.帯状疱疹の症状

◇痛み

皮疹のある場所又は皮疹が出る前に痛みが起こります。
痛みの程度は様々で、服が擦れるだけで激しい痛みが起こるものから、かゆみがあるだけの場合もあります。
神経痛が悪化するのは夜間や寒い時期に多いです。

痛みはビリビリ・ズキズキ・チクチクと表現されることが多いです。

◇皮疹

皮疹出現の2~7日前に皮疹が出現する部位に痛み(かゆみ)・感覚異常が出ることが多く、その後皮疹がでます。
主に上肢~胸背部に多く、次いで腹背部、頭部・顔面、腰臀部~下肢、頚部から上肢となります。

◇発熱

発熱が起こることもあります。
だるさなどの全身症状が起こることもあります。

 

3.帯状疱疹の原因

原因としては水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によるものです。
昔に感染したことがある水痘ウイルスは神経節に潜伏しており、免疫力が低下すると再活性化し症状が発症します。

再活性する原因は免疫力の低下となり、
・過労
・ストレス
・免疫抑制剤
・年齢による免疫力の低下
・糖尿病
などが免疫力を低下させる要因となります。

 

4.帯状疱疹の検査と診断

4-1.視診

皮疹は初期にみられないこともあります。

皮疹は浮腫性紅斑、水疱、膿疱、痂皮(かさぶた)血痂(血液が溜まったもの)を形成します。
眼瞼周囲に皮疹がでると眼瞼浮腫を生じます。

皮疹の経過として、
水疱→膿疱→痂皮
水疱→痂皮
水疱→血疱→血痂
という経過をたどるとされています。

参考文献:内科で出会う見ためで探す皮膚疾患アトラス

 

4-2.皮膚生検

稀に直接水疱を採取して分析することがあります。

 

5.帯状疱疹の一般的な治療

5-1.薬物療法

抗ウイルス薬や鎮痛薬を処方されます。
これらの薬は5~7日間服用します。
腎機能低下がある場合は投与量が調節されます。

抗ウイルス薬や鎮痛薬で効果のない場合は直接神経節にブロック注射を行うこともあります。

 

6.帯状疱疹と間違いやすい疾患

6-1.虫刺症

虫に刺されたときに起こる傷を虫刺症といいます。
初期の状態では皮疹の状態が似ているため鑑別が必要です。

6-2.接触性皮膚炎

一般的にかぶれと呼ばれているものです。
刺激の強い物質と接触した際やアレルギー傾向のある人に起こりやすい疾患です。

6-3.丹毒

皮膚に化膿性の炎症が起こる疾患で、溶連菌に感染することで発症します。
光沢のある隆起や硬結したもの、水疱を形成することもあります。

6-4.ティーツェ症候群

無菌性の肋軟骨炎をティーツェ症候群といいます。
これは原因不明の疾患です。
前胸部に痛みが起こるため皮疹が出る前の初期段階では鑑別が必要です。

ティーツェ症候群についてはこちら

 

7.帯状疱疹の合併症

帯状疱疹は神経節に潜み、再活性化すると神経に沿って炎症を起こします。
そのため、炎症の起こる神経によっては、
・同側の顔面神経麻痺
・味覚障害
・内耳障害(ラムゼイ・ハント症候群)
・運動麻痺
などの合併症が起こることもあります。

 

顔面神経麻痺についてはこちら

ラムゼイハント症候群についてはこちら

 

8.帯状疱疹の予後と後遺症

予後は良好です。
数日すると水疱は膿疱化し、7~10日後に痂皮形成し3週間で治癒しますがあくまでもこれは通常の場合です。

もともと免疫の低下が著しい患者では大きく深い皮膚の潰瘍を生じることもあります。
眼瞼帯状疱疹では重篤化することがあるため積極的な治療が必要となります。

 

9.帯状疱疹後神経痛について

現在の抗ウイルス薬では帯状疱疹後神経痛への移行を完全に防止することはできません。
帯状疱疹発症後どの程度か期間を明確に定義することはできませんが、帯状疱疹を生じた人のおよそ約10パーセントに起こるとされています。

帯状疱疹後神経痛の危険因子として、
・高齢
・急性期の痛み
・皮疹の重症度
・皮膚の知覚異常などがある
これらの痛みには薬物による治療や神経ブロックが選択されます。
この他にも顔面神経痛難聴顔面の部分麻痺などが合併することもあります。

 

参考記事:

顔面神経麻痺の原因・症状・治療

ラムゼイ・ハント症候群の原因・症状・治療

三叉神経痛の原因・症状・治療(顔の痛み)

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