患者さんの声, 症例, 痛み
9.162016
腱鞘炎、上肢のだるさ(頚椎症、斜角筋症候群)
①患者さんのプロフィール
Kさん 51歳 女性 尼崎市 看護師
②最初はどのような症状がありましたか?(来院前の状態を教えて下さい)
右腱鞘炎の痛みと右上肢のだるさ
③当治療所に通院するようになって、②の症状はどのように良くなって(変化して)来ましたか?(通院し始めてからの症状の変化を教えて下さい。)
現在は痛みの症状はない。PCを使っている為、時々だるさは出るが、治療により改善される。
その他腰痛、肩甲骨の痛みも治療によりその都度改善される。
④体調が回復してきて1番良かったこと、嬉しかったことを教えて下さい。
治療により、その時に症状の改善がわかり、楽になること。3年前にぎっくり腰になりコルセットをしていたが、治療を受けた後、仕事を継続しながら回復した事。
⑤同じ症状で悩んでいる患者さんに、アドバイスやメッセージをお願いします。
針治療が全身治療であり、症状が改善することを実感できています。いままでマッサージと同じで局所治療と思っていたが、違いました。
症状がある方、一度治療をうけてみてほしいと思います。
【コメント・解説】
現役バリバリの看護師さんだけあって、冷静で淡々と要領を得た、分かりやすいメッセージです。ですから、普段から問診し易いですね。
ともすれば、患者さんは自分の言いたい事だけを必死に話し、こちらが治すための情報を得にくい事もあります。結果的に治療の焦点がぼやけ、不十分な効果しか得られない事もあります。
特に東洋医学の場合、西洋医学と違い、長期、短期のスパンでの経過が必要です。また、良くなったのか、悪くなったのか冷静な患者さんの観察も必要です。個々の患者さんに応じた治療をするため、細かな修正が必要だからです。
よく誤解されているのが、「漢方薬や鍼灸は効果が出るのに時間がかかる」と言うものです。治癒する事と効果が出る事を混同しているのでしょう。前述の理由で、何カ月も同じ薬やツボを使うことは通常ありません。
この方は、『斜角筋症候群』です。一般に、若い女性に多いとされていますが、そんな事はありません。実際は、上肢の痛みやシビレの多くは、『斜角筋症候群』由来なのですが、この方のように『腱鞘炎』、『頚椎症」と診断されていることが多いのです。『斜角筋症候群」の診断方法がかなり頼りないものである事が一因でしょう。