膝の痛み

中学生の膝の痛み【オスグッド・シュラッター病】の症状・原因・治療まとめ

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1.オスグッド・シュラッター病とは

骨がまだ成長していない10~15歳に多い疾患です。
膝のすぐ下にある脛骨粗面という部分に痛みや腫れ、骨隆起が認められジャンプやボールを蹴る動作で痛みが起こります。
放置していると脛骨粗面部の骨が剥離することもあります。
サッカーやバレー、バスケットボールなどの膝に負担のかかりやすい競技に多くみられます。

 

2.オスグッド・シュラッター病の症状

 

 

◆脛骨粗面部の痛み

脛骨粗面とは膝の下にある膝蓋靱帯が付着する部位をいいます。
この部位に炎症が起こることによって痛みが起こります。
悪化すると安静時にも痛みがあります。

◆運動時の痛み

膝を曲げるような運動で脛骨粗面部に痛みが出ます。
主にジャンプや蹴る動作、階段昇降時に痛みを感じやすいです。

◆発赤

脛骨粗面部に炎症が起こるため皮膚が赤くなります。

◆熱感

炎症反応により触れると熱を感じます。

◆圧痛

脛骨粗面部を押さえると痛みがあります。

 

3.オスグッド・シュラッター病の原因

ジャンプやボールを蹴るような、繰り返す膝の屈伸動作により脛骨粗面部に牽引力がかかります。
そのため炎症や骨軟骨の隆起や剥離などが起こります。

さらに、本疾患の好発年齢である10~15歳は骨がまだ成長しておらず、ほとんどが軟骨で出来ています。
そのため繰り返しの牽引力などの外力に弱いという特徴があります。
練習量の増加などの様々な要因が重なり本疾患が発症します。

◆オスグッド・シュラッター病を起こしやすいスポーツ一覧

・サッカー
・バスケ
・野球
・バレー
・陸上
・テニス
・ラグビー

 

4.オスグッド・シュラッター病の検査と診断

◆触診

どこに痛みがあるか、熱感の有無などを確認します。

◆尻上がり現象

うつ伏せで患側の膝を曲げると痛みを避けるためにお尻を上げるようにすると陽性です。
これを尻上がり現象といいます。
オスグットシュラッター病以外の疾患でも陽性とこともあります。

◆画像検査

骨膨隆の程度や剥離の有無、他の疾患の有無などの検査をします。

 

5.オスグッド・シュラッター病の一般的な治療

◆保存療法

・安静
基本は安静にします。
原因となる動作やスポーツの中止を指導します。

・アイシング
運動後は炎症部位を冷やします。

・固定
膝の動きを制限するために包帯やテーピング、サポーターなどで軽度固定をします。

・物理療法
低周波・温熱などの機器を用いて筋の弛緩を促します。

・ストレッチ
炎症が強い初期にはストレッチはしません。
主に予防として太ももの前にある筋肉(大腿四頭筋)を伸ばします。

・薬物療法
痛みが強い場合は炎症を抑える内服薬や注射をします。
その他にも塗り薬や湿布でも炎症を抑えるようにします。

◆手術療法

隆起している骨の摘出や遊離した骨片の摘出術を行います。

 

6.オスグッド・シュラッター病の一般的な予防

◆ウォーミングアップ・クールダウン

急に運動するのではなく徐々に軽い運動から始め、終了時も軽めの運動を行います。

◆運動後のアイシング

特に痛みが起こった人は運動後のアイシングをしたほうが良いです。
シャワーなどで行う場合は冷えないように注意しましょう。

◆自宅でのストレッチ

痛みがある時期は自己判断で行わない方が良いです。
専門家の人に相談しましょう。

主に太ももの前にある大腿四頭筋という筋肉を伸ばします。
この筋肉の力はお皿を介して脛骨粗面部まで伝わります。
そのため太ももの前に突っ張った感じがある人はお風呂上りなどにストレッチを指導します。

 

7.オスグッド・シュラッター病の鑑別疾患

圧痛部位と症状や検査から診断は容易ですが、同じようなメカニズムで起こる疾患は多数あります。
症状が悪化している場合では剥離骨折の有無が重要となります。

◆滑液包炎

膝の周りには皮膚や靭帯、腱同士が擦れないようにする袋状のクッションがあります。
これらの滑液包に炎症が起こると膝の周りに痛みが起こります。

◆ジャンパー膝

別名膝蓋靭帯炎・大腿四頭筋腱炎と呼ばれます。
オスグットシュラッター病と同じメカニズムで起こりますが、骨には異常がなく腱や靭帯の炎症が主となります。

◆鵞足炎

脛骨粗面の内側に付く3つの筋肉(半腱様筋・薄筋・縫工筋)の牽引力によって痛みが起こります。
脛骨粗面部よりやや内側に圧痛があります。

◆シンディング・ラーセン・ヨハンソン病

膝蓋骨の下端部に牽引力がかかり痛みが起こります。
こちらの疾患もメカニズムは同じです。

 

8.オスグッド・シュラッダー病の予後と後遺症

予後は良好です。
原因となる動作やスポーツの中止により自然治癒します。
しかし休息が足りなくなれば再発、または剥離骨折なども起こります。

骨化が完了する約18歳以降になれば痛みなども治まります。

 

 

参考文献:

神中整形外科学 改訂22版
柔道整復学・理論編 改訂第5版
日本整形外科学会 「オスグッド病」

 

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