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青年男性に多い【バートン(Barton)骨折】の症状・原因・治療まとめ

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1.バートン骨折とは

橈骨遠位端部の関節内骨折で、手根骨も亜脱臼(外れかけている状態)する不安定な脱臼骨折です。

20~30歳代の男性に多いとされ、掌側バートンは比較的まれな骨折ですが、背側バートンは極めてまれです。

骨片の安定性が悪く、手術適応となる事が多いです。

・原因

バートン骨折は、受傷時の手のつき方により骨片が転位し掌側バートンや背側バートンに分類されます。

掌側バートンは、手の甲をつき転倒した時や、自転車やバイクのハンドルを持ったまま、転倒した時に受傷します。

背側バートンは、手のひらをついて転倒した時に受傷します。

・症状

骨片の転位方向により変形が見られ、手関節周囲が膨らんで見えます。

橈骨遠位部の手関節に近い部位の痛みや運動時痛があります。

手関節の可動域も制限される事があり、特に物を掴んだりする事が制限されます。

・治療

一般に整復は比較的容易ですが、整復位保持が困難なため、手術する事が多いです。

転位のない骨折や整復位が安定していれば、上腕からのギプス固定を行います。

・後遺症

整復が不十分な場合には、関節面の階段状変形を生じ、変形性関節症へ移行する事もあります。

神経損傷を合併した場合、手がしびれたりする後遺症が残る事もあります。

高齢者の場合は関節や筋肉の拘縮予防のために、早期に自動運動を開始する事が大切です。

 

2.バートン骨折の症状

◆激しい痛み

手関節周囲に受傷後すぐに痛みが出現し、骨折部に沿った痛みや運動時痛がでます。

骨折部は、橈骨と手関節の関節面に近い部位です。

◆激しい腫れ

手関節周囲にかけて激しい腫れがみられます。

受傷後数時間後には、手指にまで腫れが出現します。

◆可動域制限

関節面に骨折が及んでいるため、 手関節を動かす事が強い痛みのため出来ません。

◆前腕部の変形

・掌側バートンの場合

遠位骨片は手根部とともに掌側に転位し、橈骨手根関節は不全脱臼します。

外観上はスミス骨折と類似します(スコップ型変形、鋤状変形など)。

・背側バートンの場合

遠位骨片は手根部とともに背側に転位し、橈骨手根関節は不全脱臼します。

外観上はコーレス骨折と類似します(フォーク状変形など)。

【引用文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版】

 

◆手部のしびれ

骨折片や腫れが神経を圧迫し、指がしびれることもあります。

 

3.バートン骨折の原因

・掌側バートンの場合

手の甲をついて転倒した際に、前腕部に屈曲力が加わる事で骨折します。

自転車やバイクのハンドルを持ったまま転倒した時にも受傷する事があります。

ハンドルからの外力が月状骨、手根骨を介して橈骨遠位関節面掌側に加わって生じます。

・背側バートンの場合

手のひらをついてコケた時や、バイクや自転車を乗っている時に転倒し受傷する事が多いです。

手をついた際に、手根骨と橈骨遠位端が衝突し橈骨関節面に骨折線が及ぶことで生じます。

 

4.バートン骨折の検査と診断

4ー1.触診

圧痛部位や転位の有無を確認します。

手関節に近い部位で、手関節捻挫と間違えやすいので注意が必要です。

手関節の可動域が制限されます。

4ー2.画像検査

レントゲンにて骨折を検査します。

特に他の橈骨遠位端部の骨折があるかを確認します。

CT検査ではレントゲンでは分かりにくい、関節内の骨折の転位を確認することも可能であり、重要な検査となります。

 

【引用文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版】

 

5.バートン骨折の一般的な治療

転位が軽度なものや、良い整復位が得られるものは、徒手整復後ギプス固定します。

整復後、骨片が完全に整復されているかをX線検査にて調べる必要があります。

特に骨片の回旋転位や関節面が癒合しているか、手根骨の位置が正常かを確認します。

関節靭帯、関節包の損傷があるため整復も難しく、整復後の固定性も悪いため、手術する事が多いです。

5ー1.骨折の整復

◆徒手整復法

・掌側バートンの場合

術者は患者の前腕を回内回外中間位で末梢牽引します。

末梢牽引しながら、手関節の掌屈とともに掌側から背側へ遠位骨片を圧迫して整復します。

・背側バートンの場合

術者は患者の前腕を前腕回外位で末梢します。

末梢牽引しながら、手関節の背屈とともに背側から掌側へ遠位骨片を圧迫して整復します。

5ー2.保存療法

◆固定

関節内骨折のため血流が悪く、関節外骨折に比べ、骨がひっつくのに時間がかかります。

約5~6週間ギプス固定します。

・掌側バートンの場合

肘関節90度屈曲位、前腕回内回外中間位、手関節軽度掌屈位で上腕遠位から手関節までギプス固定を行います。

・背側バートンの場合

肘関節90度屈曲位、前腕回外位、手関節軽度背屈位で上腕遠位から手関節までギプス固定を行います。

◆運動療法

指の運動は拘縮予防のため翌日から開始し、循環の改善を図ります。

高齢者の場合は、肩や肘関節に拘縮を残す事が多いので、積極的に運動を行います。

5ー3.手術療法

転位が大きい場合や整復位が保持出来ない場合は、プレートや数本のスクリューを用い固定します。

 

6.バートン骨折の合併症

手をつき転倒した際に起こる疾患は多く、下記の疾患を合併する事もあります。

◆尺骨茎状突起骨折

前腕の尺骨の手関節に近い部位の突起部の骨折で、合併する確率が1番高いです。

◆手根骨骨折(舟状骨)

手をつき受傷する事が多く、見逃しやすいので、圧痛部位の確認が大切です。

◆正中、橈骨、尺骨神経損傷

骨折片や腫れにより、神経を損傷し指先にしびれが出る事もあります。

◆尺骨突き上げ症候群

橈骨が短縮し、尺骨が月状骨や三角骨などの尺側手根骨を突き上げ、手関節の動きに痛みがでます。

 

7.バートン骨折と間違いやすい疾患

◆手関節捻挫

転位がなく、腫れも軽度な場合は単なる捻挫と間違いやすいです。

特に小児の若木骨折の場合は腫れも軽度で、鑑別が必要です。

 

8.バートン骨折の予後と後遺症

関節内骨折のため、正確な整復、強固な固定、早期に運動療法をする事により予後は良好です。

高齢者は固定により、肩や肘関節の拘縮を起こしてしまう事が多いので、積極的に運動を行い、拘縮を防ぐ事が大切です。

整復が不十分な場合は、関節面の階段状変形が残り、変形性関節症へと移行する事もあります。

手をついた時の痛みが長引くようであれば、早めに医療機関を受診する事が重要です。

 

 

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