an's diary 杏の日記
3.152018
四肢の痙攣(けいれん)の原因による分類と対策【東洋医学タイプ分類】
1.四肢のけいれんとは?
四肢のけいれんとは、四肢(手、腕、足)がけいれんして無意識に動くことを言います。
四肢がけいれんして動き、屈伸が止まらないものはすべてこの中に含まれます。
2.分類
東洋医学的には四肢のけいれんを以下の9つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。
2−1.風邪阻絡タイプ
2−2.風痰挟おタイプ
※1強直性:筋肉の異常な収縮が長く続き筋肉がこわばった状態になるもの
※2間代性:筋肉の収縮と弛緩が交互に反復する状態
2−3.肝風内動タイプ
2−4.熱極生風タイプ
2−5.湿熱生風タイプ
上の2−4.熱極生風タイプの症状に加え、
2−6.脾腎陽虚タイプ
2−7.肝鬱血虚タイプ
2−8.血虚生風タイプ
2−9.中毒タイプ
3.解説とワンポイントアドバイス
3−1.風邪阻絡タイプ
【解説】
風邪をひいたことがきっかけで起きる場合と、傷口から破傷風菌に感染したために起きる場合があります。
風邪:悪寒、熱が出る、頭痛、カラダの痛みなどの症状が見られます。
破傷風:傷口があり、四肢のけいれんとともに口が開けられなくなる、カラダが弓なりに反り返るなどの症状が出ます。
【ワンポイントアドバイス】
風邪の場合は、まず風邪を治すことが第一です。
水分を摂って温かくしてゆっくり休んでください。
破傷風の可能性がある場合はただちに医療機関にかかりましょう。
3−2.風痰挾おタイプ
【解説】
つよい恐怖や驚きを感じた時、または飲食の不摂生で胃腸が弱りカラダに余分な水分が生じる事が原因で起こります。
事故やケガなどで頭に外傷を負った場合にも発作性のけいれんが起きる場合があります。
特徴はけいれん発作が反復して起きることで、発作がない時は健常な人と変わりません。
【ワンポイントアドバイス】
頭に事故やケガなどで外傷のある場合は医療機関にかかりましょう。
このタイプには脳梗塞など一時的な脳血管障害の場合も考えられます。
けいれん時に意識障害などがある場合も医療機関での検査をおすすめします。
3−3.肝風内動タイプ
【解説】
過労や長く病気にかかったことなどによるカラダのエネルギー不足が原因となって起こります。
特徴としては四肢のけいれんとともに腰や膝がだるく力が入りにくい、目がかすむ、めまい、耳鳴、足のうらや手のひらがほてる、しびれ、筋肉のひきつりなどの症状が見られることです。
【ワンポイントアドバイス】
まずはカラダが疲れていたり弱っていたりするのを回復させることが第一です。
そのためにはよい睡眠をとることが大事です。
夜は遅くても23時までには寝るようにしましょう。
3−4.熱極生風タイプ
【解説】
高熱の病気で熱が盛んなために、東洋医学では「陰(血)」と呼ばれる、カラダを潤しクールダウンする働きのものが消耗されてしまったために起こります。
特徴としては、四肢のけいれんとともに高熱、口の渇き、顏が赤い、目の充血、尿が濃い(色が濃い、臭いがきつい)、便が硬いなどの症状が見られることです。
【ワンポイントアドバイス】
熱病を治すことが優先されます。
しかし、熱を下げなくてはと解熱剤をすぐに使うと、カラダが治そうと働いているのを邪魔することになります。
40度を超える発熱が続いてカラダがつらいような場合などには解熱剤も考慮しましょう。
陰(血)を補うにはよい睡眠が一番大事です。
発熱している間はお布団に横になって休むのはもちろんですが、熱が下がってからも夜更かしせず、遅くとも23時までには寝るようにしましょう。
3−5.湿熱生風タイプ
【解説】
もともとカラダに余分な水分と熱がたまりやすい人に起こりやすいけいれんです。
体表面には熱感がないこと、頭がしめつけられるように重いなどの症状が見られます。
【ワンポイントアドバイス】
脂っこいもの、しつこい味のもの、甘いもの、お酒の飲み過ぎはカラダに余分な水分と熱をためやすくするので避けましょう。
キュウリなどのウリ科の食べ物やハトムギ荼は余分な水分を追い出し、カラダを冷やしてくれる働きがあるのでおすすめです。
3−6.脾腎陽虚タイプ
【解説】
嘔吐、下痢、慢性病などによって胃腸の働きが低下して冷えるために起こります。
特徴としては寒がる、四肢の冷え、顏色が白い、口の渇きがない、尿が薄い、軟便などの冷えの症状が見られます。
【ワンポイントアドバイス】
消化の良い、手のかかったものを食べましょう。
また、自分のカラダの中から熱を作り出せるようになることが大事です。
そのためには運動が一番です。手足をよく動かすことも胃腸の働きをよくします。
手をしっかり振って歩く散歩から始めて、積極的にカラダを動かすよう心がけてください。
3−7.肝鬱血虚タイプ
【解説】
ゆううつ感、悲しみや不安感を感じやすい人が、何かをきっかけに激怒した時など感情の起伏とともに起こりやすいけいれんです。
特徴としては怒りとともにけいれんが起こる、胸が苦しい、抑うつ感、ため息、動悸、物忘れ、不眠、夢をよく見るなどの症状が見られます。
【ワンポイントアドバイス】
イライラの原因を取り除くには、自分のこだわりを捨てて考え方を変えるのがよいのですが、それが難しい場合にはカラダを動かすことが効果的です。
積極的にカラダを動かすことで発散させましょう!
3−8.血虚生風タイプ
【解説】
大量の生理出血や不正性器出血、血便などによる血の消耗、または胃腸の調子が悪くてうまく消化吸収できず栄養不足の場合に起こります。
特徴は、筋肉のひきつり、しびれとともに顏色が白い、めまい感、唇や爪の色が白いなどの症状が見られることです。
【ワンポイントアドバイス】
東洋医学では血液も含め、カラダに必要な栄養のことを「血(けつ)」といいます。
失われた、または不足している血(けつ)を補ってあげることが大切です。
それにはお赤飯、おはぎ、レバー、豚バラ肉などの食材がおすすめです。
3−9.中毒タイプ
【解説】
薬物の服用、化学的毒物などとの接触があって発生する四肢のけいれんです。
原因によって症状も異なります。
【ワンポイントアドバイス】
毒物の性質によって治療も変わります。
まずは医療機関で診察、検査を受けることをおすすめします。
4.まとめ
皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、けいれんには脳血管障害、外傷、てんかん発作、破傷風なども場合もあります。
まずは医療機関を受診して適切な検査や処置を受けることをおすすめします。
また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
参考文献:
中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 上巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.
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