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反り腰との関係は?腰痛と足の痺れ【腰椎分離・すべり症】症状・原因・治療まとめ

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1.腰椎分離症・分離すべり症について

腰椎分離症・分離すべり症とは、何らかの原因により腰の骨にある関節の突起部分が分離することを腰椎分離症といいます。
分離症により腰の骨が前方あるいは後方に滑りが加わることを腰椎分離すべり症といいます。

主な症状は腰の痛みで、神経への刺激が加わるとお尻や足に痺れも起こります。

原因として、近年では遺伝的なものに過度の運動により負荷がかかって疲労骨折を起こして分離すると指摘されています。
これは10歳代の運動量が増える時期に起こり、加齢とともに腰の骨にすべりが加わると分離すべりの状態になるとされています。

分離の発生率は4~7%で、この中で滑りが伴うものは数パーセントから20%程度とされています。
スポーツ選手では30~40パーセントの人が分離症となるとの報告もあります。

第5腰椎に一番多く起こり、治療は基本的に保存療法が選択されます。
しかし神経障害の症状が進行する場合や保存療法が効果のない場合などには手術が選択されることがあります。

 

2.腰椎分離症・分離すべり症の症状

本疾患では形の特徴から両側に起こる足の痛みや会陰症状は合併することはないとされています。
10歳代では腰痛のみを主訴とし、足の痛みを訴えることは少ないです。
中高年者では足の痛みを主訴として訴えることが多いようです。

◆腰・太ももの裏・お尻の痛み

分離症・分離すべり症では腰や太ももの裏、お尻の痛み、いわゆる坐骨神経痛が生じます。
体を反るような姿勢をとると腰の痛みが強くなります。

◆足の痛み

分離症に滑りが加わる分離すべり症では神経を刺激することがあります。
そのため足の神経の支配領域に応じた部位に痛みや痺れが起こることもあります。
長時間の歩行が辛く、休息をとれば治まる神経根性間欠性跛行(しんけいこんせいかんけつせいはこう)が生じることもあります

 

3.腰椎分離症・分離すべり症の原因

 

 

原因は遺伝的な素因と運動量の増加により反復した負荷が腰椎の関節突起部にかかり、分離するとされています。

痛みが起こる理由として、分離した部位による痛みや背骨の間にある椎間板という組織由来の痛みが考えられます。
感覚異常や痺れなどは分離した部位に棘(骨棘)ができたり体を動かした際に神経に刺激が加わり症状が起こるなどが考えられています。
脊柱の不安定性から起こる足の痺れなどの症状もあるため、画像上には所見がないこともあります。

 

4.腰椎分離症・分離すべり症の検査と診断

4-1.問診・触診

若年者の分離症では腰痛が主訴のことが多いため他の疾患との鑑別が必要です。
中高年者では分離症の有無や他の疾患との鑑別の為に徒手検査も必要となります。

神経根性間欠性跛行は血管性のものもあるため姿勢による症状の変化を詳細に聞くことが重要です。

4-2.画像検査

腰椎分離すべり症はレントゲンにて診断可能です。
他にも、分離部の詳細な病態把握にはCTが有用で、MRIでの椎間孔間の評価も有用です。
責任神経根の同定には神経ブロックも有用となります。

 

5.腰椎分離症・分離すべり症の一般的な治療

一般的に第一選択は保存療法となります。
しかし保存療法が効果のない場合や神経障害の症状が進行あるいは重度の場合は手術が適用となります。

5-1.保存療法

◇安静・固定
腰部に負担のかかる運動を中止させ安静にします。
腰部を固定する軟性のコルセットを装着し骨癒合をはかります。

◇運動療法
慢性的な腰痛で、他の疾患がない場合は腰部の支持性を上げるために筋力トレーニングを行います。
他にも日常生活で負担のかからない姿勢を指導します。

◇薬物
腰の痛みに対しては鎮痛薬の投与やブロック注射などを行います。

5-2.手術療法

若年者では長期的な見込みを説明し希望があれば手術を行います。
中高年者では保存療法で効果のない場合や神経症状が進行している場合は手術が適用となります。
若年者の分離症には分離部の固定を行い、中高年では神経根を圧迫している部位の除圧術と固定術行います。

 

6.腰椎分離症・分離すべり症と間違いやすい疾患

◆腰椎椎間板ヘルニア

背骨の間にあるクッションのような組織を椎間板といいます。
中高年者に多い疾患ですが若年者のスポーツ選手では起こることも考えられます。
また分離に伴う滑り症は椎間板の組織に負担がかかり痛みが起こることもあります。

◆変性すべり症

腰椎の分離を伴わないすべり症を変性すべり症といいます。
原因は椎間板の変性を一次性にするものと椎間関節の変化を一次性にするもの全身性の疾患などが考えられます。
また脊柱管の狭窄もおこるため鑑別が必要です。

◆変形性腰椎症

椎間板や椎間関節の変性の結果、何らかの症状を起こしている疾患をいいます。

◆腰椎の骨折

腰椎に何らかの大きな外力が加わると骨折を起こすことがあります。
本疾患では疲労性の骨折という指摘があります。
骨折により脊髄や神経を傷つけることもあるため詳しい問診と検査が必要です。

◆内科疾患

腰に痛みを起こす疾患は様々あります。
・子宮内膜症
・腎盂腎炎
・急性膵炎
・胃十二指腸潰瘍穿孔
・尿管結石
などがありこれらの鑑別も必要です。

 

7.腰椎分離症・分離すべり症の予後と後遺症

腰椎分離症・分離すべり症の予後は大きく分けて二つに分かれます。
一つ目は分離のみのもので、日常生活にも支障をきたすことが少ないため積極的に手術などは行わず保存療法で経過を観察します。
二つ目は分離から滑りが生じたものです。
滑りを伴うと日常生活に支障をきたしやすいため手術になることが多いです。
滑りが起こる危険因子として、
・症状の持続
・第5腰椎分離症を有する人での大きな腰仙角
・椎間関節の水平化
・椎間板の不安定性
などが報告されています。

 

 

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