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歯ぎしりの原因による分類と対策【東洋医学タイプ分類】

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1.歯ぎしりとは?

上下の歯をこすり合わせてギシギシ音をさせることを言います。
東洋医学では「噛歯(ごうし」「齘歯(かいし)」などと言われています。

 

2.分類

東洋医学的には歯ぎしりを以下の7つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

2-1.外感風寒タイプ





 

2-2.心胃火熱タイプ






2-3.食滞タイプ






 

2-4.蛔虫タイプ









 

2-5.気血両虚タイプ












 

2-6.虚風内動タイプ








 

2-7.熱極生風タイプ

 

3.解説とワンポイントアドバイス

3-1.外感風寒タイプ

【解説】
冷えのカゼによる歯ぎしりです。
寒気とともに覚醒時に発生します。
特徴は寒気、発熱、頭痛、節々が痛いなどのカゼをひいた時と同じ症状が出ることです。

 

【ワンポイントアドバイス】
カゼをひいた時と同じように対処するようにしてください。
基本的には、水分を摂って、暖かくして、よく寝ることです。

 

3-2.心胃火熱タイプ

【解説】
胃腸に熱を持っている場合に起こります。
睡眠中に起こり、比較的強い歯ぎしりです。
特徴は、口臭、焦燥感、口が渇いて、冷たい飲み物を好むことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
味の濃いもの、脂っこいもの、甘いものなどの食べ過ぎによって胃腸に熱を持つようになります。
ですから、これらの食べ物の食べ過ぎに心当たりのある場合は、それらを控えるようにしてください。
夏野菜や南の地方の食べ物は熱を取り除く働きのあるものが多いです。
さっぱりとしたものをよく噛んで食べるようにしてください。
また、寝る2,3時間前には晩ご飯は食べ終えるようにしましょう。

 

3-3.食滞タイプ

【解説】
子どもによく見られ、夜間に起こる歯ぎしりです。
不衛生な食べ物、おっぱいのあげすぎなどによって、消化機能が障害されたために起こります。
特徴は食欲不振、消化不良、お腹が張る、やせる、大便の不調などが見られることです。

 

【ワンポイントアドバイス】
食事の衛生面に気をつけてください。
また、赤ちゃんの場合、泣き止ますためにすぐにおっぱいをあげるのは禁物です。
お腹をすいている場合であれば良いのですが、それ以外の理由で泣いている場合でもおっぱいを飲むことがあります。
その場合は消化機能に負担をかけることになります。
赤ちゃんが泣いている理由をしっかりと見極められるように気を付けてみてください。

 

3-4.蛔虫タイプ

【解説】
寄生虫がカラダの中にいることによって起こる歯ぎしりです。このタイプも子どもに多いタイプです。
しかし、近年の日本では衛生面がかなり管理されるようになっているので、少なくなっていると考えられます。
特徴は発作性にへそ周囲に痛みが生じる、多食、土や紙など通常は食べないようなものを食べる(異食)、顔に白色の斑点ができるなどの症状があります。
蛔虫タイプと上記の食滞タイプは同時に見られることもあります。

 

【ワンポイントアドバイス】
寄生虫を駆除する必要があります。
そして、寄生虫がカラダにいることによって、胃腸が弱ってしまっていますので、胃腸に負担をかけないように気を付けましょう。
よく火を通した、消化の良いものを食べるようにしてください。
さらに、よく噛んで食べる、ながら食べをしない、早食いしない、寝る2,3時間前には晩ご飯を食べ終えておくなど基本的な子とも外さないようにしましょう。

 

3-5.気血両虚タイプ

【解説】
カラダのエネルギーが全体的に不足しているために起こる歯ぎしりです。
東洋医学では「気(き)」と「血(けつ)」が不足しているという言い方をします。
歯ぎしり自体は比較的軽度ですが、物を言うのがおっくう、息切れ、顔色が蒼白でつやがないなどの症状が見られることが特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
体力の回復を優先的に行うことが重要です。
まずは栄養価のあるものをよく噛んで食べるようにしましょう。
そして、遅くとも23時には寝るように心がけてください。体力回復に睡眠は最も重要です。
また、少しずつ運動を行っていくのが良いでしょう。
特に手をよく振って歩くことは、胃腸を強くし、消化吸収を助けます。
さらに、昼間よく歩くことで、夜の睡眠の質も良くなります。

 

6.虚風内動タイプ

【解説】
老化、慢性病、心配事や悩み事、疲労、熱の病が長期間に及ぶなどによって起こる歯ぎしりです。
このような要因があると、カラダを潤す働き弱くなり、熱を持ちやすい状態になります。
そのため、両目の乾燥感、頬が赤い、手のひら・足の裏が熱いなどの熱症状が現れます。
さらに、疲労感、頭のふらつき、耳鳴り、腰や膝がだるく力が入らないなどの疲れの症状も伴います。

 

【ワンポイントアドバイス】
慢性病や熱の病が原因である場合にはそちらの治療を優先的に行います。
心配事や悩み事が解決しない場合には、カラダをよく動かすようにしてください。
そして、何が原因であるにしても、このタイプの方は良い睡眠をしっかりととれるように心がけてください。
遅くとも23時には寝るようにしましょう。寝る時間の長さではなく、「時間帯」が重要です。
諸説ありますが、23時から1時の間にカラダを修復するためのホルモンが出ると言われています。
良い睡眠をしっかりと摂ることによって、カラダが潤うようになります。
すると、熱症状も治まってくるため、歯ぎしりが改善しやすくなります。

 

3-7.熱極生風タイプ

【解説】
急性の熱が出る病気の経過で見られ、子どもに多い歯ぎしりです。
特徴は高熱、胸がざわざわする、口が渇いて冷たいものを欲しがる、尿が濃いなどの熱症状が多いことです。
ひどくなると、筋肉のひきつりや半身不随、意識障害なども現れることもあるので、注意が必要です。

 

【ワンポイントアドバイス】
熱が旺盛であるために起こる歯ぎしりです。
その為、熱が治まると、歯ぎしりもなくなります。
病を治す為の経過として、熱が出ている場合がありますので、それを無理に解熱するのは危険な場合があります。
専門の医療機関にて適切な指導を受けてください。
また、カラダの中に熱が多すぎると、意識障害や麻痺などを起こす場合があります。
そのような重篤な症状が出た場合には速やかに病院にて適切な処置を受けてください。

 

4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 上巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

 

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