an's diary 杏の日記
8.202017
【鍼灸】VS【蚊】! 針先が細いのはどっちだ?
こんにちは研修生の小林です。
夏も終わりが近づきましたね。
「実家に帰省した」、「旅行に行った」、「BBQをしました!」などたくさん楽しそうな声が聞こえてきそうです。
夏の大敵といえば「蚊」ですよね。たくさん刺された方も多いのでないでしょうか?
尖如蟁蝱喙(読めなくていいです)
ところで先日、所長の講義がありました。
題材は、鍼灸や漢方、つまり東洋医学の原典、黄帝内経(こうていだいけい)です。
この書物は、紀元前の中国大陸、漢の時代にそれまでの書物や経験をまとめ上げたものです。
二千年以上も昔に書かれたものですが、今でも東洋医学の基本であり最重要の書物です。
黄帝内経は、「素問(そもん)」、「霊枢(れいすう)」の二編が残っています。
「素問」は、東洋医学の百科全書と言うべきで、広範な事柄が記載されています。
対して「霊枢」は、主に鍼灸について書かれています。
その「霊枢」の一番初めの篇、「九鍼十二原」があります。
「九鍼十二原」には、様々な鍼の種類と形状、使用方法、使用目的などが書かれています。
その一節に、
「毫鍼者 尖如蟁蝱喙 靜以徐往 微以久留之而養 以取痛痹」
とあります。
「毫鍼(ごうしん)」と言うのは、現在の日本で最も一般的に使われている細くて短い鍼の事です。
「尖如蟁蝱喙」は、形状の説明です。
「蟁」は蚊、「蝱」はアブのことです。「喙」は口先です。
つまり、「(毫鍼の)先端は蚊やアブの口先の針の様に細い」と書いてあります。
みなさん、針といえば何を思い浮かべるでしょうか?
病院に行かれたことがあるかたなら、採血の際に刺される針を思い浮かべるでしょう。
あの太い針でブスッと刺されるのは誰もが嫌がるでしょう。
鍼灸でもそういったイメージを持たれるかたは多くいらっしゃいます。
でも・・・実は鍼灸の針はすごく細いんです。
採血や注射などで使う針は、薬液や血液を通すため管のように作らないといけません。
しかし、鍼灸治療で使用する針は、薬液を通す必要が無いため大変細く作れます。
例えば、ちょっと前(2012年)に世界一細い注射針として発表されたテルモのナノパスニードルⅡ。
あれが、直径0.18ミリ。
細い!びっくりするほど細い!さすがはテルモ!
しかし!当院で最も使用頻度の高いセイリン1番鍼は、なんと直径0.16ミリ!
ナノパスニードルⅡより細いんです!
それどころか、もっと細い01番、02番だってあります。
でも、
「尖如蟁蝱喙:(毫鍼の)先端は蚊やアブの口先の針の様に細い)」…。( ゜д゜)ポカーン
確かにすごく細いんだけど、そこまでかあ?ホンマかいな?(-ω-;)ウーン
だって、「蚊」だよ、「蚊」…。(´・ω・`)?
と思い、実際に比べてみました!
比べてみた
「鍼灸」vs「蚊」ということで両者を用意しました。
◆1番鍼
当院の鍼灸治療で最も多く使うやつです。
◆蚊
飛んでいたやつ。
潰さずに捕まえるのに苦労しました|  ̄∀ ̄ |ドヤァ。
白黒の模様がついてます。
ごくありふれた全長1センチ無いくらいの蚊です。
やぶ蚊みたいにおっきいのじゃありません。
まず、捕まえた蚊をコピー用紙にセロハンテープで貼りつけました。
そして、1番鍼の針先を蚊の口器(針)に揃え撮影しました。
結果発表
どうでしょうか?下が1番鍼の先端です。
…「尖如蟁蝱喙」はマヂだった!(≧▽≦)
【正】毫鍼の先端は蚊やアブの口先の針の様に細い!
と言う事が証明されました!
蚊の針と鍼灸の針はほぼ同じ程度の太さということが言えますね。
蚊に刺されたときに痛みを感じないように、鍼灸治療で針を刺した時の痛みも感じません。
これで少しでも鍼が怖くなくなったらいいですね。
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