足の痛み

【階段の昇り降りで足首が痛み、腫れる】変形性足関節症の症状・原因・治療まとめ

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1.変形性足関節症について

 

 

一般的に足関節と呼ばれるのは、脛骨・腓骨。距骨から構成される距腿関節のことをいいます。
変形性足関節症は何らかの原因によりその関節に負荷がかかり骨棘や軟骨が擦り減ることをいいます。

荷重関節である股関節や膝関節に比べて少ないです。

主な原因として外傷や他の疾患によるものから、関節が感染し化膿性関節炎が起きた後も発症します。
変形性足関節症の大部分は外傷後に起こる二次性のものです。

歩行時や階段の昇降時に痛みを感じ、腫れることもあります。

治療は変形の進行度によって分かれ、初期には足底挿板が有効とされています。

 

2.変形性足関節症の症状

◆足部の痛み

変形部位に痛みが生じます。
初期には内側が多いですが、外側まで及ぶと足関節全体に痛みが起こります。

◆運動時痛

歩行時や階段の昇降時に痛みが起こります。

◆腫れ

足関節全体に腫れを認めることもあります。

◆可動域制限

足関節の背屈制限がおこる場合もあります。
症状が進行すると底屈制限もでます。

 

3.変形性足関節症の原因

変形を起こす原因には外傷や他の疾患による二次性のものが多いです。
しかし近年では高齢化社会の影響もあり、明らかな外傷のない特発性の一次性関節症が増加しています。

◆一次性の変形性足関節症の原因疾患

骨折や靭帯損傷などの明らかな外傷のない変形性関節症
欧米諸国では少ないことから正座や胡座などの独特な生活様式

◆二次性の変形性足関節症の原因疾患

・外傷後の関節症
脛骨下端軸圧骨折
距骨頚部・体部骨折
果部骨折
足関節捻挫
など

・化膿性関節炎後の関節症
結核性を含めた種々の化膿性関節炎後

・他の疾患による関節症
麻痺足・先天性内反足に対する三関節固定術後
痛風
関節リウマチ
血友病
などの全身的な疾患の部分的な症状としての変形

以上のものがあげられています。

 

4.変形性足関節症の検査と診断

◆触診

足関節の内側部および内果関節部に圧痛を認めます。
可動域制限を伴っていたり、関節の不安定性がある場合もあります。

◆画像検査

レントゲンにて検査し、4期に分類されます。
第1期(初期)
骨硬化や骨棘は存在するが関節裂隙の狭小化は認められない
第2期(中間期)
関節裂隙の狭小化が認められる
第3期(中間期)
一部の軟骨下骨組織の接触もみられる
第4期(末期)
全癘に関節裂隙が狭小化して軟骨部分が消失し、骨組織同士の接触がある

 

5.変形性足関節症の一般的な治療

◆保存療法

・足底挿板
初期に有効な、偏った荷重を調整するクッションを挿入します。

・温熱療法
超短波や極超短波、ホットパックを用いて患部を温めます。

・薬物療法
湿布や軟膏、経口の消炎鎮痛剤を処方されます。
場合によっては注射での痛み止めを打ちます。

◆手術療法

・靭帯再建術
初期では足関節の不安定性がある場合靭帯再建術を行います。

・下位脛骨骨切術
脛骨の骨切りを行い偏った荷重を調整する手術です。
第2・3期が対象となります。

・人工足関節置換術
変形の進んだ足関節に人工関節を置換します。
適応は第4期で、60歳以上の人が対象となります。

・足関節固定術
固定術には脛骨の前方部をスライドさせる方法や創外固定による癒着法、外側から腓骨を移植する方法があります。
第4期が対象となります。

 

6.変形性足関節症の鑑別疾患

◆足根洞症候群

足根洞とは踵骨の前外側上方にあり、固有感覚受容体が豊富に存在しています。
この部位を足関節捻挫などの外傷時に損傷すると、痛みや不安定感が残ります。

◆陳旧性外側靭帯損傷

新鮮外側靭帯損傷が進行すると陳旧性となります。
すると不安定性や痛みが残ることがあります。

◆距骨無腐性壊死

距骨は表面の70%が関節軟骨に覆われていて、栄養血管の侵入部位が限られ血流障害に陥りやすいです。
骨折や脱臼などの外傷後に起こることが多いですが、原因不明の特発性に起こる場合もあります。

 

7.変形性足関節症の予後と後遺症

骨の変形自体は手術以外に治す方法がありません。
そのため症状に合わせて治療を選択します。

初期には足底板が有効で、不安定性がある場合には靭帯再建術が行われその成績も良いです。
中間期のものに対しては骨切術が比較的安定した成績が得られています。

 

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