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足首の捻挫の後遺症?【足根洞症候群】症状・原因・治療まとめ

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1.足根洞症候群とは?

足根洞とは、外くるぶしの下にある足根洞と言われる洞穴状になっている部分のことを言います。
距骨と踵骨と言う骨で構成されており、この部分に何らかの異常があり、痛みや歩行時の不安定性と言った症状が出るものを足根洞症候群と言います。
足関節の捻挫を繰り返したり、捻挫後に適切な治療を受けなかったりすることで起こります。
関節が柔らかい幼児や若年者には少なく、激しい運動をしやすい20~30代に多いとされています。
特徴は足根洞部の圧痛、外くるぶし周辺の痛み、歩行時の不安定性などです。

 

2.足根洞症候群の症状

【医歯薬出版株式会社『筋骨格系のキネシオロジー』より引用】

◆足根洞の圧痛

外くるぶしのすぐ下にある足根洞の部分を押すと、痛みがあります。

◆外くるぶし周辺の痛み

特にデコボコした道に立ったり、歩いたりした際に痛みが強くなります。
安静時の痛みはない事が多いです。

◆不安定性

特にデコボコした道を歩く際に足関節が不安定な感覚が出ます。

◆腫脹・発赤・熱感

外側の足関節捻挫を伴ってい場合や、足根洞の炎症を繰り返している場合などには外くるぶし周辺に腫れ、赤み、熱感が出ることがあります。

 

3.足根洞症候群の原因

外側の足関節捻挫を繰り返したり、捻挫したまま適切な治療をしなかったりすることが原因とされています。

具体的な病態には以下のようなことが考えられています。

・足根洞の中の骨間距踵靱帯が傷ついたために炎症が起こる。
・傷を治す過程で、神経終末と言われる神経線維の端っこが線維組織に入り込んでしまう。
・傷ついた靱帯がきれいに治りきらないこと(瘢痕化)で、靱帯本来の機能を果たせず、足根洞に負担がかかっている。

 

4.足根洞症候群の検査と診断

◆問診、触診

安静時の痛みの有無、デコボコした道で痛みや不安定性が出るか、さらに以前、捻挫したことがないかなどを確認します。
触診では、足根洞部の圧痛を確認します。

◆X線検査

骨折の有無を確認します。
足根洞症候群ではX戦での異常所見はみられません。

◆MRI検査

足根洞内に足根洞症候群特有の異常所見を確認することができます。
足根洞症候群の中では数少ない客観的診断基準とされています。

◆距骨下関節の関節造影

足根洞のある関節内に造影剤を入れることによって、足根洞症候群特有の所見を確認することができます。

 

5.足根洞症候群の一般的治療

初期には、足根洞部の負担をかけないようテーピングなどで固定したり、足底板を用いて安定を図ります。
さらにステロイド薬の局所注射が有効で、診断にも役立ちます。
このような保存的療法で治癒しない場合には、手術を行う事もあります。

◆保存的療法

手術以外で治療する方法の総称を保存的療法と言います。

・テーピングや足底板
テーピングによって、足関節を固定したり、足底板を入れることで、不安定性を軽減させる方法がとられます。

・局所麻酔とステロイド薬の注入
足根洞へ直接ステロイド薬を注入後すぐに痛みが軽減、消失する場合には足根洞症候群の可能性があると判断することができます。これを診断的治療と言います。
効果がある場合には、何度か繰り返してこの治療を行います。

・運動療法
不安定板を用いて、足根洞周辺の筋肉を鍛えたり、再教育を行います。

 

◆手術療法

足根洞の機能は邪魔している脂肪固有組織やうまく治りきらなかった組織などの除去を行います。

 

6.足根洞症候群の鑑別疾患

足首の外側に痛みの出る疾患は足根洞症候群以外にも考えられますので、それらと区別していく必要があります。
下記の他にも足関節の外側に痛みの出る疾患はたくさんありますが、代表的なものを記します。

◆足関節捻挫(外側靭帯損傷)

足関節の外側部にある靱帯損傷です。
足根洞症候群の原因となるケガでもあるため、鑑別するとともに、適切な処置を受けなければなりません。

◆変形性足関節症

長時間の歩行や加齢などが原因で足の骨が変形し、痛みを生じる疾患です。
変形はX線画像で確認することができるため鑑別は容易です。

◆関節リウマチ

多発性の関節痛と関節の腫れを主症状とする原因不明の自己免疫疾患です。
最初は手足の関節や肘、膝などの痛みと腫れが起こることが多く、次第に全身の関節へと広がっていきます。
血液検査や全身症状などから鑑別することができます。

 

7.足根洞症候群の予後と後遺症

保存的療法だけでも6割近くが改善、または治癒すると言われています。
保存療法で改善が見られなかった症例でも手術療法によってほとんどの場合、症状が改善されます。
しかし、捻挫を繰り返していると再発しやすいため、捻挫の原因となるスポーツや、靴の見直し等が必要となります。
また、捻挫は痛みがあっても歩行可能なこともありますが、足根洞症候群のような二次障害を起こすこともあります。
ですから、足を捻った際には専門の医療機関で適切な治療を受けるようにしてください。

 

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