足の痛み
12.222017
【シンスプリントと間違える脛の痛み】下腿疲労骨折の原因・症状・治療まとめ
1.下腿疲労骨折について
疲労骨折とは繰り返しの外力により発生する骨折です。
他の要因として、筋による衝撃吸収の低下や筋の牽引力によるものなどがあります。
全身的な骨の脆弱性も関与しており、女性ランナーでは生理不順や摂食障害、骨粗鬆症などもあげられています。
全身の疲労骨折の中でも脛骨が最も多く発生し、腓骨も少なくありません。
スポーツ障害のひとつで、運動量の多い10歳代に多く発生します。
運動中の痛みが主な主訴で安静にしていれば症状は軽減します。
痛みが起こる部位によって疾走型・跳躍型に分類されます。
脛骨では後内側部に発生することが多くシンスプリントと間違われやすい疾患です。
2.下腿疲労骨折の症状
◆骨折部の痛み
障害を受けた部位に痛みを生じます。
◆運動時の痛み
運動中に痛みが増強します。
安静にしていれば痛みは軽減します。
◆腫れ
軽度の場合腫れは認められません。
症状が進行すると腫れや熱感を感じます。
慢性化したものでは皮膚が分厚くなります。
3.下腿疲労骨折の原因
疲労骨折は繰り返す外力により発生します。
・骨に繰り返す衝撃が加わった時
・筋肉の疲労により骨に加わる衝撃力を軽減する作用が低下した時
・筋により繰り返しの牽引力が加わった時
など、これらの要因が複合して発生します
他にも全身的な素因も関与しており、女性では生理不順や摂食障害、骨粗鬆症などがあげられています。
疲労骨折が起こる部位によって疾走型と跳躍型に分けられています。
4.下腿疲労骨折の分類
脛骨と腓骨の疲労骨折には部位により疾走型と跳躍型が分けられています。
◆脛骨
・上中1/3境界部骨折(疾走型)
・中央1/3境界部骨折(跳躍型)
・中下1/3境界部骨折(疾走型)
と、分けられています。
・脛骨疲労骨折疾走型の特徴
解剖学的に凹となる脛骨の後内側に加わる圧迫力により発生します。
ランニングやジャンプは圧痛が消失するまで中止し、負荷のかからないトレーニングを指導します。
・脛骨疲労骨折跳躍型の特徴
脛骨中央3/1は脛骨の弯曲凸面でジャンプやダッシュなどの際に伸長力が作用し発生します。
圧迫力が作用せず、損傷部が理解されるような外力が作用するため治癒には長期間要します。
◆腓骨
・上1/3部骨折(跳躍型)
・下1/3部骨折(疾走型)
・脛骨疲労骨折の特徴
ランニングや跳躍の際には腓骨の弦運動が起こります。
たわみが一番大きい部位では疲労骨折が起こりやすいです。
5.下腿疲労骨折の検査と診断
◆触診・視診
疲労骨折部に圧痛が認められますが多くは腫れも熱感もありません。
慢性化した場合では皮膚の肥厚がみられることもあります。
◆画像検査
レントゲンにて検査を行います。
初期には異常がみられないですが、数週間すると骨膜反応や骨折部の透亮像がみられます。
6.脛骨・腓骨疲労骨折の一般的な治療
基本的に安静が主となります。
◆保存療法
・安静
原因となる動作や運動を中止し3週間程度安静にします。
症状や画像所見をみながら徐々に運動を開始し、5~6週間で運動復帰が可能となります。
骨の脆弱性などその他の素因がある場合は全身的な治療も行います。
◆手術療法
骨癒合がみられない場合は骨移植術が必要となります。
7.下腿疲労骨折の鑑別
◆シンスプリント
脛骨の中央から遠位1/3の後内側部におこる骨膜炎をシンスプリントといいます。
歩行や走行に伴う痛みが主症状で、中下1/3境界部に起こる疲労骨折との鑑別が必要です。
8.下腿疲労骨折の予後と後遺症
予後が良好です。
症状が消失するまで原因となる運動の中止を行えば慢性化しにくいです。
しかし跳躍型では骨に離開するような外力が働くため慢性化することもあります。
初期にレントゲンを撮って異常がない場合でも時間の経過とともに異常が見つかることも少なくありません。
症状が続く場合はもう一度検査しましょう。
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