an's diary 杏の日記, 感染症, 湿疹
7.242018
とびひ(伝染性膿痂疹)の症状と原因と治療の分かりやすいまとめ
1、概念
一般的に言われる「とびひ」とは俗称で、正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいかのう
かしん)」と言います。
皮膚に水疱あるいは膿疱ができ、かゆみがでます。
それをひっかいて、水疱や膿疱が破れることによって、あっという間に全身的に感染が広
がります。
この様子が、火事が起こった際の「飛び火」に似ていることから民間ではこのように言わ
れるようになったそうです。
2、原因
原因となるウイルスは2つあるとされています。
黄色ブドウ球菌と化膿連鎖球菌です。
これらの箘が虫刺されや小さな傷などから入り込むことによって感染します。
黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌は健康な人な皮膚や鼻の中などに常に存在する常在菌と言
われる箘です。
ですから、皮膚のバリア機能が弱っている子供やアトピー性皮膚炎の方などがなりやすい
です。
大人でも免疫力低下などの条件がそろえば感染することがあります。
3、症状
湿疹と痒みが出て、全身に広がりやすいことが特徴的です。
湿疹の種類には以下の2つがあります。
◆水疱性膿痂疹
黄色ブドウ球菌が原因となり、乳幼児や小児に多くみられます。
夏季に後発することも特徴的です。
初めに小さな水疱ができます。
その後、水疱の中に黄色い汁のようなものを内包します。
そして、それが破れると、茶色の薄い痂皮が形成されます。
◆非水疱性膿痂疹
化膿連鎖球菌が原因となり、小児よりも成人に見られることが多いです。
初めに丘疹といわれるプツプツとした発疹がみられます。
その後、丘疹の周囲に赤みを伴う水疱ができます。
さらにその後、皮膚表面に黄色い痂皮が形成されるという特徴があります。
4、診断
通常は臨床所見にもとづいて診断される場合が多いです。
発疹の性質や分布部位などが参考にされます。
5、鑑別
◆カポジ水痘様発疹症(単純疱疹)
ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルスによる感染症です。
中央に凹みのある発疹が多発する傾向があります。
その他、ただれて痛みが出現したり、発熱などの症状も見られます。
◆水痘
12月~7月に流行し、全身に発疹ができます。
とびひと同じように水疱が全身的に現れますが、38度前後、まれに40度ほどの熱出る
ことが特徴的です。
◆アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の方はとびひを併発することがあります。
しかし、アトピー性皮膚炎は感染しないことがとびひとの大きな違いです。
◆水いぼ
水っぽい光沢のあるいぼができるのが特徴的です。
とびひとは発疹の性質が違うため鑑別ができます。
◆汗疹(かんしん・あせも)
汗を出す管である汗腺がつまることで、発疹ができます。
透明~白色、または赤色の発疹ができます。
6、治療
原因が細菌であるため、治療は抗生物質の外用、内服となります。
さらに対症療法として、かゆみを抑えるための抗ヒスタミン剤が追加される場合もあります。
7、予後
基本的に予後は良好です。
症状が軽度な場合には通常4日~5日ほどで治癒します。
治らない場合にも、外用抗菌剤の変更や内服、点滴静注などによって改善します。
しかし、とびひの原因となる菌が血液中に侵入し、敗血症や箘血症をおこす場合もまれにあります。
早めに皮膚科に相談しましょう。
8、学校保健安全法での取り扱い
学校保健安全法という法律で、とびひは「学校感染症、第三種(その他の感染症)」として扱われます。
他の園児や学童に移る可能性がありますので、まずは医師に相談してください。
患部の露出がない場合には登校や登園が許可される場合があります。
しかし、病変が重度の場合や広範囲にわたる場合には休ませるようにしてください。
関連記事:
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