指の痛み, 痛み
8.72018
リウマチ?指の変形と痛み【へバーデン結節】症状・原因・治療まとめ
1.へバーデン結節とは
手のDIP関節(指の第1関節)が変形し曲がってしまう変形性関節症のことで、40歳過ぎの女性に多く発症します。
女性の方が男性よりも約10倍発症頻度が高く、手をよく使う人に多い傾向があります。
この病気を最初に発見した、ウィリアム・ヘバーデン(William Heberden)医師の名前をとり、ヘバーデン結節と呼ばれています。
手のPIP関節(指の第2関節)に同じ症状が出た場合は、ブシャール結節といいます。
・症状
初期には、手のDIP関節が腫れて、痛み、熱感、発赤といった炎症症状を伴います。
次第にDIP関節背側部に結節、骨性隆起を形成し、屈曲、側方偏位といった変形を呈します。
・原因
原因は不明ですが、40歳過ぎの女性に多く発症し、指の使いすぎにより発症しやすいです。
遺伝性での発症も考えられ、母親や祖母がヘバーデン結節なっている人に多い傾向です。
・治療
保存療法を中心に治療していき、患部の安静や鎮痛剤の服用、患部のテーピング固定などを行います。
保存療法で痛みが改善しないときや変形がひどい場合は、手術を行う事もあります。
・後遺症
炎症症状が治まると痛みはなくなりますが、DIP関節に骨性隆起が出現し、屈曲変形、側方偏位などの変形を残します。
2.へバーデン結節の症状
◆外観の変形
DIP関節背側部に骨性隆起が出現し、屈曲や側方偏位などの変形がみられます。
DIP関節の近くに、透き通った水ぶくれのようなでっぱりができることがあり、これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。
◆指先の痛み
初期では指先に痛みを伴います。
炎症症状が治まると痛みはなくなりますが、手をよく使ったりすると痛くなる事もあります。
◆指先の腫脹
初期では赤く腫れ、熱感を伴った腫脹がでます。
腫れが軽微な事もあります。
◆可動域制限
痛みのため指を曲げる事が困難になります。
変形が完成すると、屈曲拘縮ために指の曲げ伸ばしが困難になる事もあります。
3.へバーデン結節の原因
原因は不明ですが、40歳以降の女性に多く、指を日頃からよく使う人に発症しやすいです。
遺伝性での発症も考えられ、母親や祖母がヘバーデン結節なっている人に多い傾向です。
PIP関節に生じた場合はブシャール結節といい、へバーデン結節の約2割の方にブシャール結節を合併します。
[標準整形外科学引用]
4.へバーデン結節の一般的な治療
数ヶ月から数年で症状は治り、痛みはなくなる事を念頭におき治療していきます。
消炎鎮痛剤の投与や外用薬を対症的に用います。美容上気になる場合、つまみ動作や保存療法で痛みが改善しないときや変形がひどい場合は、手術を行う事もあります。
4ー1.保存療法
◆固定
テーピングを用い、関節を固定する事で安静を保ち、炎症を鎮めます。
◆薬物療法
消炎鎮痛剤の投与や外用薬を用いて、痛みを和らげます。
DIP関節の中に少量のステロイド注射を行うことで、痛みや腫れを軽減します。
体質や変形が高度の場合は、数ヶ月で注射をする前と同じ痛みに戻ってしまいます。
関節の中に注入したステロイド剤が関節の外に漏れると、脂肪萎縮や皮膚の変色などが起こることがあるので注意が必要です。
4ー2.手術療法
◆内固定術、骨棘切除
変形がひどい、美容上気になる、痛みが改善しない場合には、DIP関節を埋め込み式のネジで固定するか、骨棘の切除を行います。
関節を固定すると痛みはなくなりますが、指先が曲げられなくなり、細かいものを握ることが出来なくなるので、慎重な検討が大切です。
5. へバーデン結節の検査と診断
5ー1.触診、視診
初期では赤く腫れ、熱感もあるので捻挫と間違いやすいので、年齢と性別を考慮し、圧痛部位の確認が必要です。
5ー2. 画像検査
レントゲンにて、DIP関節の変形、突出の有無を確認します。
X線写真で関節の隙間が狭小化や、関節破壊、骨棘があれば、へバーデン結節と診断できます。
PIP関節に生じた場合はブシャール結節といいます。
6.へバーデン結節と間違いやすい疾患
レントゲンで関節の破壊が見られ、左右対称に症状が出る。
このような症状を呈したものがヘバーデン結節と診断されます。
初期には炎症症状があり、捻挫や関節炎に間違いやすいですが、年齢や性別を考慮し鑑別します。
◆DIP関節捻挫
特に腫れひどい場合には間違いやすく、圧痛部位の確認が重要です。
◆関節リウマチ
リウマチ特有のスワンネック変形と類似するので、鑑別が必要です。
◆ 爪周囲炎
爪周囲がささくれなどで傷つき、そこからばい菌が入り、爪の周辺が赤く腫れるなどの炎症を起こします。
指先の腹側が化膿したものは、ひょう疽(瘭疽)と呼ばれます。
7.へバーデン結節の予後と後遺症
変形性関節症なので発症すると、屈曲変形や側方偏位などの変形は残ります。
普段から指を使いすぎないようにしたり、DIP関節に痛みがあるときは手指をできるだけ使わないようにするのが重要です。
どうしても手を使う必要がある場合は、テーピングなどでDIP関節を固定し負担の軽減を図ります。
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