目の病気, 神経障害
9.132017
滑車神経麻痺の原因・症状・治療
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1.滑車神経麻痺について
滑車神経麻痺とは滑車神経が支配する眼球を動かす上斜筋が麻痺し、眼球運動に障害が出ます。
他にも複視(ものが二重に見える)も起こります。
2.滑車神経について
滑車神経とは脳幹にある中脳から起こる第4脳神経です。
脳幹とは中脳・橋・延髄からなる、生命維持に欠かせない器官のことを言います。
滑車神経は純粋な運動繊維で出来ており、眼球を動かす上斜筋を支配します。
◆滑車神経の走行
脳幹にある中脳にある滑車神経核から起こります。
12ある脳神経の中で唯一背側から起こる神経です。
中脳の背側を出て、前方に向かいます。
海綿静脈洞では動眼神経の下、三叉神経第一枝(眼神経)の上を走行します。
その後上眼窩裂に入り上斜筋を支配します。
◆滑車神経の役割
上斜筋を支配する神経で、眼球を下・外側(耳側)・内側にねじる作用がある筋肉です。
3.滑車神経麻痺の症状
麻痺により焦点の異常や眼球運動障害が起こります。
◆複視
物が二重に見えます。
眼球を下に動かすと複視がより強くなります。
この症状は成人になって自覚することが多いです。
健側に頭を傾けると複視が抑えられるため、頭を傾けた状態になる頭位異常がみられます。
◆眼球運動障害
目を下・内へ動かすことができなくなります。
また眼球を内にねじる作用もできなくなります。
そのため頭を患側に傾けた際、目が平衡を保てず上方を向いてしまいます。
◆上斜視
上斜筋の麻痺が起こるため患側の目が上を向いてしまいます。
4.滑車神経麻痺の原因
後天性のものでは、滑車神経と動眼神経が障害を受けることが多いです
滑車神経単独の障害は稀です。
◆先天性上斜筋麻痺
先天性のものが一番多いです。
生まれたときから上斜筋が麻痺している状態で、主に上斜筋の腱部に異常があります。
◆脳の異常
・脳の循環不全
脳への血流または血管に異常があり滑車神経が麻痺します
・頭部外傷
滑車神経は中脳の背側から出ているため、後頭部をぶつけると滑車神経が障害され麻痺することもあります。
さらに背側では交叉しているため両眼に症状が出ることもあります。
◆ウイルス性
ウイルスにより神経が炎症を起こし滑車神経が麻痺します。
◆その他
・糖尿病
など
5.滑車神経麻痺の診断と検査
◆MRI・CT
画像にて脳に異常があるか検査します。
◆眼球運動
目の動かない方向をみます。
◆頭部傾斜試験
頭を傾けて複視の状態がどうなるか検査します。
6.滑車神経麻痺の一般的な治療
脳の異常や他の疾患によるものであれば、それに対する処置・治療を行います。
◆手術
先天性のものに対しては斜視の手術を行います。
◆プリズム眼鏡
麻痺により焦点がずれると複視が起こります。
複視を抑えるために焦点を合わせるためのレンズを作ります。
7.滑車神経麻痺の予後と後遺症
後天性の場合、外傷やウイルスによるものであれば自然治癒することもあります。
しかし症状が長期間続く場合は手術も検討します。
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