その他の治療, 手の痛み
4.52018
爪の変形の原因による分類と対策【東洋医学タイプ分類】
1.爪の変形とは?
手足の爪の形状・硬度・厚さ・色調などの病的変化の事を言います。
2.分類
東洋医学的には爪の変形を以下の5つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。
2-1.枯厚タイプ
2-2.剥離タイプ
2-3.鉤状タイプ
2-4.勾形タイプ
2-5.扁平タイプ
3.解説とワンポイントアドバイス
3-1.枯厚タイプ
【解説】
湿地での生活、水仕事、白癬菌(水虫)などの侵入により、余分な水分が皮膚に滞ることによって起こります。
慢性に経過して、治りにくく、指と指の間に湿り気を伴います。
特徴は爪の傷害が先端や辺縁から始まり、次第に光沢がなくなっていきます。
爪はもろく、表面がデコボコで、粉状の脱落、あるいは欠けたりするようになります。
後期には空洞化するようになります。
【ワンポイントアドバイス】
湿度が高すぎる環境での作業などは控えるようにしましょう。
可能であれば、除湿してください。
水仕事をする際にはゴム手袋を着用してください。
水虫がある場合はその治療を優先的に行ってください。
カラダの中に余分な水分が溜まらないよう、冷たいものや生ものの多飲多食は避けてください。
3-2.剥離タイプ
【解説】
東洋医学では、爪は血(けつ)によって養われていると考えます。
しかし、もともとの体質や出血などによって、血が少なくなると、爪が薄く軟らかくなってきます。
痛みやかゆみはありませんが、爪がはがれ、空洞化し、次第に灰白色となり、光沢を失います。
枯厚タイプも空洞化しますが、爪の厚さに違いで見分けることができます。
枯厚タイプの爪は厚くなり、剥離タイプは薄くなります。
【ワンポイントアドバイス】
血(けつ)を補うために、レバー、豚バラ、お赤飯、ぼたもちなどを食事に取り入れるようにしてください。
また、血を消耗しないために以下のことを気をつけてください。
・目の使い過ぎないようにする(特にパソコン、スマホ、テレビなど)
・冷たい水での洗い物などは控えるようにしてください。
・遅くとも23時は寝るようにしてください。
3-3.鉤状タイプ
【解説】
ケガや生まれつきカラダの弱いことなどが原因になって、東洋医学で瘀血(おけつ)と言われる病理産物が滞ることよって起こります。
簡単ではありますが、瘀血は「悪い血」と考えてください。
特徴は爪の中心から先に向かって、厚くなって、山のように尖ります。
厚さが1cmほどに達し、先端は鷹の爪のように弯曲し、黒色、青黒色、灰黒色になります。
もろくなったり、裂けたり、粉状になることは少ないです。
【ワンポイントアドバイス】
瘀血ができる原因は多くあります。
ですから、本来であれば、専門家の見立てが必要です。
しかし、瘀血そのものにはスプーン1杯程度のベニバナ油が効果的な場合があります。
3-4.勾形タイプ
【解説】
大病後の衰弱、胃腸が弱いことによる偏食、飢餓などにより、爪の栄養が不足して起こります。
特徴は、爪が薄く軟らかくなり、四辺が反り返ることによって、真ん中が陥凹し、スプーン状になります。
そして、動悸、息切れ、頭のふらつき、不眠、動くと汗が出るなどの症状を伴います。
【ワンポイントアドバイス】
栄養状態をよくすることが大切です。
栄養を効率よく取り込むためには、胃腸をしっかりとさせることです。
栄養価の高いものを食べることをオススメしますが、それらはは胃腸に負担がかかりやすいものが多いです。
ですから、よく火に通し、よく噛んで食べるように心がけてください。
さらに、寝る2、3時間前には晩ご飯を食べ終えているようにしましょう。
東洋医学では手足をよく動かすことによって、胃腸の働きが良くなるとされています。
軽い散歩から始めてみましょう。
3-5.扁平タイプ
【解説】
乳幼児に多く、指しゃぶりや爪を噛むなどのクセがあるために、血の循環が悪くなるために起こります。
特徴は爪が扁平になります。特に親指に多くみられます。
【ワンポイントアドバイス】
まずは指しゃぶりや爪を噛むなどの悪い習慣をやめさせることです。
そうすることによって、血の循環が回復し、次第に治ります。
4.まとめ
皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。
また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 下巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.
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