足の痛み

【足を蹴られた?様の痛みと歩けない】アキレス腱断裂の症状・原因・治療まとめ

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1.アキレス腱断裂について

腓腹筋に続く腱をアキレス腱と言い、この部が断裂することをアキレス腱断裂といいます。
アキレス腱部の変性や微小断裂が関与していることから中高年に多いです。
近年では主婦でスポーツをする機会が多くなったことから女性にも多く発生するようになりました。

受傷時には「バットでなぐられたような」「足を蹴られたような」と訴えることも多いです。
症状としては断裂部の痛みや腫れ、皮下出血を伴うこともあります。

腱が完全断裂した場合でもかろうじて歩行は可能ですがベタ足歩行となります。
爪先立ちは不能となります。

保存療法と手術療法でも再断裂の頻度や筋力の回復に明らかな差はないと報告されています。

 

2.アキレス腱断裂の症状

◆断裂部の痛み

受傷時には「バットでなぐられたような」「足を蹴られたような」と訴えることが多いです。
断裂部に激しい痛みがあります。

◆腫れ

断裂部が腫れます。
陥凹が認められることもあります。

◆皮下出血斑

皮下に出血が認められます。

◆運動制限

足関節の底屈制限があります。
歩行は困難となりますが、ベタ足歩行ならかろうじて歩けます。
爪先立ちは不能となります。

 

3.アキレス腱断裂の原因

 

 

アキレス腱に負荷がかかり部分断裂又は完全断裂が起こります。
スポーツ中に発症することが多く、バレーやバドミントン、バスケではジャンプした際や着地時に発生します。
運動中にターンした際やダッシュ時などにも発生しやすいです。

腱部の変性や微小断裂が素因となることから中高年に多いです。
後脛骨筋は断裂しないことからベタ足歩行は可能です。

スポーツ以外でも退行性変性疾患や慢性関節リウマチ、化膿性炎症や骨折によって発生することもあります。

 

◆腱損傷の程度による分類

断裂の程度によって分類が異なります。

第Ⅰ度 腱線維の断裂は認められないが、腱実質、腱鞘、屈筋支帯、伸筋支帯、滑液包などに生じた機械的炎症あるいは直達外力による損傷をいう。
初期には一定の動作、負荷で疼痛を訴え、びまん性の腫脹、圧痛などが出現し、ほとんどが原因を除去することで軽快する。
一部のものは靭帯性腱鞘の肥厚や腱の浮腫といった病能を示し、関節運動障害を呈するものがある(ばね指など)
第Ⅱ度 腱線維の部分的断裂損傷をいう。
腱実質の損傷が主役となるが、第Ⅰ度にあげた組織炎症、損傷が合併することが多い。
臨床的には第Ⅰ度と判断しているもののなかに部分断裂損傷も多く含まれている。
関節運動および負荷により疼痛を訴え、腫脹、圧痛、血腫形成、陥凹などがみられる
第Ⅲ度 当該腱が完全に断裂しているもの、損傷部に陥凹があり、強い圧痛があり、その腱によって行われる運動が不能あるいは筋力低下を認める
早期から腫脹と皮下出血斑が出現する。

参考文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版

 

◆アキレス腱断裂を起こしやすいスポーツ一覧

中高年の趣味でのスポーツ時に多く発生します。
・バレーボール
・バドミントン
・ソフトボール
・野球
・サッカー
・剣道
・陸上競技
など数多くの競技に発生します。

 

4.アキレス腱断裂の検査と診断

◆問診・触診

問診では「バットでなぐられたような」「足を蹴られたような」という訴えがあります。
断裂部に圧痛や陥凹が認められます。
トンプソンテストにより完全断裂の有無を確認します。
通常、下腿中央部で腓腹筋を握りしめると足関節の底屈が起こりますが、断裂している場合では足関節の底屈は認められません。

◆画像検査

レントゲンでは他の骨折の有無を確認します。
超音波エコーでは断裂が認められます。

 

5.アキレス腱断裂の一般的な治療

保存療法でも手術療法でも断裂の頻度や筋力の回復に明らかな差はみられません。
そのため患者の状況に応じて選択されます。

◆保存療法

・安静
軽度の場合テーピングなどで固定する場合もあります。
完全断裂ではギプスによる固定を行います。
自然下垂位で下腿ギプスを装用し、4週後に屈曲を緩めて、ほぼ中間としてさらに4週固定します。

・運動療法
固定による筋力の低下を防ぐため徐々に運動を行います。

・薬物療法
痛みを抑える薬が処方されます。

◆手術療法

断裂した腱部を縫合します。
他の組織から移植する場合もあります。
術後の固定は3~4週間行います。

 

6.アキレス腱断裂の鑑別

◆アキレス腱炎

アキレス腱部の微小断裂や変性を素因とした炎症をいいます。
断裂する際にも変性が関与しているとされています。

◆肉離れ

腱部ではなく筋腹の部分断裂を肉離れといいます。
本疾患よりやや上部に痛みが起こります。

 

7.アキレス腱断裂の予後と後遺症

どの治療法でも3ヶ月以上経過してから徐々にスポーツ復帰します。
再断裂をしないように運動前のウォーミングアップなどを怠らないようにします。

 

 

※内容に誤りや情報が古いなどありましたらお手数ですがご一報ください。

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