治療をお断りする場合
12.182015
①ただ「痛み・症状が無くなれば良い」とお考えの方。
痛みや症状は、決して自然が意地悪や罰としてヒトに与えたモノではありません。
自然の摂理に反した誤ったカラダの使い方や考え方、生活を修正するためのモノサシです。
ココロとカラダを守り、もっと大きな病気や、症状を未然に防ぐためにあるのです。
「そんなこと言っても痛いし、しんどいし、今だけでも楽になれば良いんじゃない?」と言う声が聞こえそうです。
例を出しましょう。
「先天性無痛症」という病気をご存じでしょうか?
この病気は生まれつき痛みを感じることが出来ません。
痛みを感じることが出来ないために、骨が折れても気付かず歩き続け、骨が肉を破って重篤な感染症に見舞われたりします。
ストーブで火傷しても感じず、肉が焦げるまで気付きません。
自ら舌を噛み切ったり、内蔵損傷があっても痛くないので手遅れになったりします。
また、赤ちゃんが指をしゃぶりちぎるという痛ましいことさえ起こります。
このように、他に異常が無いにもかかわらず、ただ痛みを感じないが為に、普通に生活することが難しく、多くの場合、若くして亡くなってしまいます。
私たちが、「暑い・寒い」などを感じるために、カラダはそれに対応して効果的にカラダの状態を刻一刻と変化させています。
この機能によって私たちは衣服や温度を調整することが出来ます。
これは「ホメオスタシス」という、心身を良好に保つために人間に付与された優れたシステムです。
そして、「眠い」、「疲れた」、「咽が渇く」など様々な感覚はすべてそのセンサーになります。
もちろん「痛み」もそうしたシステムの重要なセンサーです。
「対症療法」は、その重要なセンサーを、原因を深く考察することなく、浅はかな自己都合で遮断するようなものです。
これはタバコの不始末によって、寝室でボヤを起こし、作動した警報機をうるさいからといって切るのと同じです。
そうすればどうなるでしょう? タバコの火は燃え広がり、建物が全焼してしまうかも知れません。
すべきは速やかに消火することですよね?
痛み=警報機、ボヤ=原因、寝室=痛いトコロ、建物=全身です。
そして、真の原因である「タバコの不始末」はなぜ起こったのか?という検討・対策が最重要課題です。
病気や症状は、これまでのココロとカラダの誤りを正し、後の人生を豊かにして大いに楽しみ、幸せになるための大きなチャンスと考えてください。
患者さんが、当治療所で、原因に対して施術し、東洋医学の知恵を学び、原因を起こす「真の原因」となる考え方、生活習慣を改める。
それによって、体質改善を図り、ココロとカラダを『根本から治す』。
そして、豊かな人生を楽しみ、幸せになるためのお手伝いが出来たらこんなに嬉しいことはありません。
当治療所は、そのことだけを喜びに日々精進しております。
ですから、こうした考えが受け容れられない方の治療は、お断りさせていただきます。
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