症例, 認知症
1.272014
時計描画テスト
以前書いた『原発性進行性非流暢性失語症』の診断が出ている患者さんです。
主訴は『しゃべれない』なのですが、初診時、いくつかの所見と診断名が結びつかず、矛盾があったので神経内科に紹介した患者さんです。
その所見の一つが家人から「記憶障害があるようだ」と言われ、実施した時計描画の結果です。
上の画像左の様に異常が認められました。
丸い文字盤、数字、10時10分を決まった手順で指示します。
実施者によって結果が変わらないようにするためです。
12/28のテストでは、2回とも長短針の区別が怪しく、短針と思しき針が12時を指していました。
1/22に紹介先を訪れ、診察・検査を受けたそうです。そこでの認知症のテストでは異常が認められず、なんと「時計描画テスト」も正常。
12/28の初診時には、時々、緊張や勘違いから間違う事があるので、治療前後に時間をおいて2回実施したにも関わらず、2度とも上図左のような描画でした。
それを聞いて確かめるため、1/27に来院された時に実施したのが、右の描画です。
ホントだ…正常だ…。なんでだろう?…
紹介先に行くまでに、初診時を含めて計3回治療しています。
付いて来て下さっているご家族やお友達は、「1回目の治療直後から、表情が豊かに明るくなった。」とおっしゃっています。初診時にあった「流涙」も止まっています。
確かに認知症は表情が乏しくなります。
ですから、軽度の認知症があり、治療効果が上がったものと思いたいですが、上記の「時計描画テスト」とご家族の証言だけでは『証拠』として弱いのは否めません。
惜しむらくは、先に紹介して神経内科を受診してから治療すれば良かった、と言う事です。
そうすれば、はっきりとした『証拠』が残せました。
良くあるんですよね、こういうの…。私が思っている以上に結果が出て後悔するパターンorz
論文にして、学会発表して、追試・検証されて広く認められれば、多くの困っている人が助かる可能性があります。
でも、良いんです。
学会発表のネタを逃がしたかも知れないのは痛いですけど、そのために治療している訳じゃ無いですから…。
患者さんが喜んでくれれば、それが一番です。
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