子供の治療ブログ, 症例

子供の噛みつき癖

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時々、幼児の『噛みつき』を治せるか?と聞かれます。

先日も、Mちゃんのお母さんに相談されました。

結論を言えば、小児鍼で治せます。東洋医学的に言えば、『肝気』の問題だからです。

しかし、お母さんの『覚悟』が必要です。

 

こどもの『噛みつき』で思い出すのは、Kくんの場合です。

Kくんのおばあさんは、以前から腰や膝、肘が痛くなった時や「橈骨神経麻痺」と言って手が使えなくなる病気になった時、その都度治療していました。

その縁で、おばあさんの息子さん、つまりKくんのパパが過換気症候群を繰り返したときや、娘さんのアトピー、ひいおばあさんのめまいや腰痛を治してきました。

そのような関係でKくんの『噛みつき』を治せるか、と相談されました。

結果はと言うと、たった一回の治療で無くなってしまい、私自身も大変驚きました。

ただ、一方で「さもありなん」と思う事があったのです。

 

Kくんのママはわずか16歳でした。

正直に告白すると、初めは、「ちゃんと育てられるのだろうか」と怪しんでいました。

ですが、Kくんの扱い方、私の話の聞き方を見て、「このコは相当度胸が据わってしっかりしている。」と考えなおしました。

当治療所では、「かみつき」の養生指導は、母親にとってかなり苦痛を伴う事を指示します。

大抵のお母さんは、聞き返すか難色を示します。

しかし、Kくんのママは、私の目をじっと見据えて、私の説明をうなずきながら、表情も変えず、真剣に聞いていました。

話し終わっても、何の質問もせず、「出来るか?」と言う私の問いに、ただ「はい」と私の指示を実行することを約束してくれました。

結果、たった一回で治してしまったのです。

私も2児の父親ですが、親が子供にしてあげられることは、本当はそう多くないと思っています。

Kくんの両親はまだ幼く、周囲の手助けが無くては生きていくのが困難です。

不本意ながら、沢山の人に支えられて、やっと親子三人生きていける事、それを本人たちは十分に自覚している様に見えました。

もしかしたら、出産まではもっと簡単な事と思って居たかも知れません。

2人だったら意地を張れたかも知れません。周囲も助けなかったかも知れません。

しかし、Kくんがいます。でも、2人には力がありません。

だからこそ、自分が子供にしてあげられる僅かな事を全力でしてあげたいと思って居たのでしょう。

Kくんのママにはそれがにじみ出ていました。

 

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