治療をお断りする場合
12.182015
⑩安価なだけの治療をお求めの方
確かに当治療所の治療は、価格だけで評価すれば高価な部類だと思います。
しかし、数百円の治療を毎日、何年受けても治らない、改善しないでいるとしたらどんな意味があるのでしょうか。
数百円でも高いとは思わないでしょうか。
仮に治ったとしても、その治療で治ったのでは無く、自然治癒であるケースは少なくありません。
きちんとした治療を行えば、もっと早く、楽に治せるはずなのです。
多くの方が、はっきり言えば意味のない治療を、漫然と施したり、受けています。
それは、ある程度、医療に従事していれば解るものです。
そうした事をしたくない、と当治療所は考えます。
東洋医学的診察(望診、聞診、問診、切診)と多面的な観察を行う。
それに基づき、体質、環境、精神状態と、多彩な症状の因果関係をひもとき、治療計画を立てる。
そして、 蓄積した経験、知識と錬磨した技術で、細心の注意を払い、患者さん一人ひとりの為の施術と養生指導を行い、体質改善を図る。
このような根本からの治療を行うための努力を毎日続けています。
それは、決して「高くない」と自信と誇りを持って言えます。
以前、歩けない程の腰痛の方を治療しました。
整形外科でMRIを 撮り、「『腰椎ヘルニア』のため手術しなくてはならない。一ヶ月入院しなさい。」と医師に言われ、「手術は出来ない」と、私の治療を受ける事になりました。
なかなか治療が難しく、毎日治療して、一ヶ月半の通院で治しました。
私としてはベストを尽くしましたが、自費で毎日治療して一ヶ月半ですから、負担も大きく、大変申し訳なく思っていました。
すると、患者さんは、
「とんでもない!とても感謝しています。有り難うございます。先生のおかげで会社が潰れなくて済みます。」
「一ヶ月も私が入院したら、私と事務員だけの会社ですから、すぐ潰れしまうところでした。」
「そうすれば、多くの取引先にも大変な御迷惑、損失をおかけした事でしょう。」
「それを考えれば、こんな出費はハシタ金です。」
そう言って下さいました。
また、学生時代から登山が大好きで、以前は週末ともなれば山へ行っていた方が、膝が痛くなり、「トシだから、変形しているから」と医師に止められたので登山 に行かなくなりました。
確かに登山に行かなければ、日常生活は何とかなりました。毎日毎日電気やマッサージに通いました。
しかし、この方は2年経った時、私にかかる事にしました。「登山に行きたい。」と。
私と共に一生懸命治療した結果、その方は登山後、数日間は膝が腫れる事はあっても、登山が出来るようになりました。
その方にとっては「膝が痛い」事よりも、費用がかかる事よりも、『登山に行ける事』に大きな意味がありました。
考えてみて下さい。
「高い、安い」は『あなた自身の価格』ではないでしょうか?
『あなたの人生の価格』と言っても良いでしょう。
その症状によって、素晴らしい機会をロスする、その『機会の価格』です。
その症状が治れば、どんな優れた仕事が出来るでしょう?
どんな素敵な出会いが待っているでしょう?
どんな心躍る楽しみがあるでしょう?
健康は『目的』でなく『手段』だと思います。何かをするために必要なものだと思います。
ただ痛くない事に意味があるとは私には思えません。仕事、趣味、何でも良いでしょう。
『健康は、その人の生き甲斐を尽くすためにある。』と私は考えます。
そんなあなたの生き甲斐、願いを叶える『健康』は数百円で作り上げる事が出来るでしょうか?
私は、患者さんが、代役のいない、仕事、趣味、人生を存分に楽しむ為の治療をしたいと考えています。
「そうした治療は自分にはふさわしくない。安価な意味のない治療で十分だ。」と仰る方は、どうぞご遠慮下さい。
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