an's diary 杏の日記, 足の痛み

外反母趾の痛みや腫れなど症状・原因・治療まとめ

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1.外反母趾について

外反母趾とは足の親指が人差し指側にくの字(外反・回内)に変形することをいいます。
症状として、親指内側の痛みや腫れが起こり、可動域制限を伴うことがあります。
発症にはハイヒールなどの靴の影響が大きいとされ、そのため、10:1の割合で女性に多い疾患です。
他にも人差し指に比べて親指のほうが長い足(エジプト型)や、偏平足や開張足などの他疾患も関与しているといわれています。
治療は基本的に装具や運動などの保存療法を行います。
保存療法の効果が期待できない場合は手術が適応となります。

変形の重症度と症状の程度は必ずしも一致しません。
しかし変形が進行すると巻き爪や足底に胼胝(タコ)ができたり、親指の付け根の関節が脱臼することもあります。

 

偏平足についてはこちら

 

2.外反母趾の症状

外反母趾の症状の程度は変形の重症度と必ずしも一致するものではありません。

◆痛み

変形による機能障害や靴との摩擦により親指の内側や足底に痛みを感じます。

 

◆腫れ

親指の内側に発赤ができ腫れを伴うこともあります。
骨頭が靴により圧迫を受けるため有痛性腱膜瘤(バニオン)を生じます。

 

◆痺れ

変形が進行すると指先につながる神経が圧迫され痺れを伴うことがあります。

 

◆足底の胼胝(タコ)

足底にかかる体重が偏るために皮膚が厚くなり胼胝(タコ)を形成することがあります。
痛みを伴う胼胝を有痛性胼胝と言い、人差し指や中指の足底にできることが多いです。

 

◆可動域制限

痛みがあると親指が動かしにくくなります。
そのため歩行時にも偏った体重のかかり方になります。

 

3.外反母趾の原因

原因は様々で、大きく分けて外的要因と内的要因、これらの原因が組み合わさったものがあります。

3-1.外的要因

◆靴の問題
足先になると細くなる靴や、前足部に荷重のかかりやすいハイヒールにより足先が圧迫され変形することがあります。
特に前足部にある横アーチが潰ている(開張足)や土踏まずが潰れている(偏平足)などがある場合は、指先が圧迫を受けやすいため外反母趾となりやすいです。

 

 

3-2.内的要因

◆体質
足の親指に限らず全身の関節に弛緩性がある場合外反母趾となりやすいです。

◆足の形
生まれつき親指より人差し指の方が長い足(エジプト型)の場合は靴による圧迫を受けやすいため外反母趾となりやすいです。
他にも土踏まずが潰れる偏平足や前足部のアーチが潰れる開張足などの変形があると外反母趾になりやすいです。
他にも骨頭の形態異常などもあります。

◆筋肉の問題
親指の周囲にある筋肉の緊張バランスが何らかの原因により崩れると、年齢とともに変形が進行します。

 

4.外反母趾の検査と診断

4-1.触診・視診

見た目は特徴的で、中足骨頭が外側を向き指先は人差し指側に向きます。

 

4-2.画像検査

 

引用文献:標準整形外科学 第12版

 

重症度はレントゲンにて検査できます。
第一基節骨と中足骨の角度(HV角)や第1.2中足骨間の角度(M1-M2角)で評価します。
外反母趾角(基節骨衄と中足骨軸の角度:HV角)

 

重症度
軽症 HV角が20~30度未満
中等度 HV角が30~40度
重度 HV角が40度以上

 

5.外反母趾の一般的な治療

基本的に保存療法で経過をみますが、効果がなく症状が続く場合は手術が選択されます。

 

5-1.保存療法

◆靴の指導
靴先が広く紐やストラップのついた靴に変えます。
痛みには足底板を使用することもあります。

◆装具
親指を正しい位置に矯正する装具を付けます。
他にも親指と人差し指の間にクッションを入れて親指の角度を調整します。
しかし装具は変形の矯正に効果は少なく、痛みを取り除くのには有効です。

◆運動療法
足指じゃんけんや両方の親指にゴムをかけて足を外側に動かす運動を行います。

 

5-2.手術療法

保存療法で効果のない場合は手術が選択されます。
術式は150種以上あるため病態に合わせて選択されます。

 

6.外反母趾の鑑別疾患

◆母趾種子骨損傷

母趾の中足骨足底にある種子骨の疲労骨折や機能障害を伴う場合もあります。
圧痛部位は関節部のやや後方にあります。

 

◆痛風

高尿酸血症により関節に結晶が沈着し炎症を起こすことを痛風といいます。
70%に母趾MTP関節に痛みや腫れが起こります。
他の関節にも起こる為他の症状の有無や血液検査で鑑別が可能です。

 

7.外反母趾の予後と後遺症

変形が進行すると人差し指や中指の下に親指が入り込み脱臼を起こすこともあります。
次第に巻き爪を生じることもあります。

術後の合併症として骨頭壊死や変形治癒、内反小趾などがあります。

 

関連記事:

【階段の昇り降りで足首が痛み、腫れる】変形性足関節症の症状・原因・治療まとめ

 

 

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