１．産後の便秘とは？

産後に発生する便秘や排便困難で、一般的な便秘と共通するところと独特な面があります。
東洋医学では「産後大便難（さんごだいべんなん）」と言われます。

 

２．分類

東洋医学的には産後の便秘を以下の２つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

 

２－１．血虚傷診津タイプ

産後から数日から１０日以上も排便がない
お腹が軽く張るがそのほかの自覚症状はない
産後の一般症状である体力低下はみられる

 

２－２．陽明腑実タイプ

産後から便秘を生じる
お腹がつかえる
お腹が張る
お腹が痛い
お腹を押さえると痛い
発熱
口が乾く
尿が濃い

 

３．解説とワンポイントアドバイス

３－１．血虚傷津タイプ

【解説】

もともと貧血傾向などがある方の体質を東洋医学では「血虚（けっきょ）」と言います。
血虚体質の方が、お産によるの出血過多や産後の過労すると、さらに血虚が進みます。
東洋医学でいう「血（けつ）」はカラダを潤したり、栄養をする作用があるため、血が不足すると、カラダを潤す事ができなくなります。
そのような原因で便秘が起こってしまうのがこのタイプです。

【ワンポイントアドバイス】

東洋医学でいう「血（けつ）」を補っていくことが重要です。
血を消耗する要因は、過労や目の使い過ぎなどがあります。
ゆっくり過ごすようにし、テレビやスマホ、テレビなどは極力控えてください。
血を補う方法は、お赤飯やおはぎ、豚バラやレバー、などをよく噛んで食べるようにしてください。
軽い運動も血の生成を促します。散歩などから始めてみてください。

 

３－２．陽明腑実タイプ

【解説】

胃に熱を持ってしまうことが原因となって起こる便秘です。
一般的な便秘の原因のひとつでもありますが、産後の場合は１の血虚傷津タイプの状態を伴うことが一般的な便秘とは違う面です。

 

【ワンポイントアドバイス】

１の血虚傷津液タイプと同じ用に過ごすようにしてください。
しかし、食べ物にはもう少し注意が必要です。
脂っこいものやしつこいものを食べることは避けましょう。
お赤飯やおはぎも悪くはないですが、食べ過ぎると症状が悪化する場合がありますので、注意してください。

 

４．まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか？
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

参考文献：中医研究院　趙金鐸（1987）『症状による中医診断と治療　下巻』神戸中医学研究会編訳，燎原書店．

 

 

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