an's diary 杏の日記, やさしい東洋医学

【やさしい東洋医学】 肝之蔵の話

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おQちゃん
質問が届いてます。ご紹介しますね。

Q.「先生は私のことを「漢方で言う肝の蔵が悪い」とおっしゃいますが、現代医学の肝臓とは違うのですか?」 

おQ博士

わしは、おQ博士じゃ!これは間違いやすいんじゃ。
西洋医学の『肝臓』と東洋医学の『肝之蔵』は似てはいるが別ものなんじゃ。
ちょっと、わしらで説明してみようかの。
おQちゃん、おQ君、勉強の成果を見せてくれいっ!

おQちゃん
はい!西洋医学での肝臓の働きと特徴に次のようなものがあります。
おQ君

西洋医学の肝臓

1.胆汁の分泌

2.糖分、タンパク質、脂肪の合成、分解

3.ホルモン代謝

4.解毒作用

5.血液の貯蔵 等

おQちゃん

どれをとっても身体にとって重要な役割を担っているのよ。
また、肝蔵は沈黙の臓器といわれ、少し位、悪くなっても症状として現れないの。
症状が出てきた時には、かなり悪くなってから、ということになるの…。

おQ君
一方、東洋医学での肝蔵は、下のような働きと特徴があるんだ。
おQちゃん

東洋医学の肝之蔵

1.気、血をスムーズに流れるようにする

(心も身体も、のびやかになるように働く)

2.筋を主り、全身の筋肉の緊張を調節する

3.胃腸の消化を助け、消化吸収を促進させる

4.目の働きを調節する

5.全身の血液分布の調節を行う

(これに異常をきたすと出血しやすくなったり、オ血(血の滞り)をおこす)

6.謀慮を主る

(中枢神経系統の活動と関係している)

7.『怒り』を主り、ストレスと関係が深い

8.爪、腰、子宮、脇腹と関係が深い

おQ博士
おQ君、おQちゃん、御苦労さん!良い出来じゃったぞ!
いかがかな?大分違うじゃろ。
東洋医学においても内臓の名前が同じなので間違いやすいのじゃ。
我が国では江戸時代まで内臓の名前・働きの考え方は、すべて漢方医学によって定められていたのじゃ。
おQ君
へー。なんか面倒だね。別の名前にすればいいのに。
おQちゃん
博士!なんでこんな事になったの?
おQ博士
それはじゃな、江戸時代の医学者、杉田玄白の責任が大きいんじゃ!


杉田玄白(日本史はくぶつかん様より

おQ君
あ!このおじいちゃん、僕知ってるよ!
おQちゃん
私も。日本史で習ったよ!
おQ博士
そう。小中学校の日本史で習ったと思うが、玄白たちは、オランダから入ってきた解剖学書『ターヘルアナトミア』を『解体新書』という書物に翻訳したんじゃ。
おQ君
うん。うん。
おQ博士
その際に、『形』による分類の西洋医学の内臓に、東洋医学の臓腑の名称を借りて、無理矢理当てはめたんじゃよ。
おQちゃん
へー。
おQ博士
東洋医学は複雑な相互関係で成り立つ人体を把握する為に「気・血・経絡・臓腑」という概念を用いて『働き』により分類しているのじゃ。
つまり、本来別のものに同じ名前を付けたんじゃ。これが混乱の元なんじゃ。
おQ君
なるほどね。そんなことがあったんだね。
おQちゃん
別の名前を考えてくれたら良かったのに!
おQ博士
本当じゃな。
日本史では進取の精神に富み、近代医学の扉を開いた医学者として評価される玄白じゃが、東洋医学にとっては、後の混乱・誤解・偏見の元凶と言ったところじゃな。
おQ君
博士!分かったけど、まだちょっと難しいからガンダムで喩えてよ!
おQ博士
ガ、ガンダムでか?
わしはファースト世代じゃからせいぜいZZ位までしか分からんぞい。
そうじゃな…。エウーゴのクワトロ・バジーナをシャア・アズナブルと呼んだら混乱するじゃろ?それと同じじゃ!
 
おQ君
分かんねーよ!
おQちゃん
分かんねーよ!
おQ犬
アン!

 

 

【やさしい東洋医学】肝之蔵の話 おしまい

 

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