胃腸の痛み

食欲不振の原因による分類と対策【東洋医学タイプ分類】

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1.食欲不振とは?

食欲がないことを言います。
東洋医学では「不欲食」「不欲飲食」「食欲差」「不知飢餓」「納滞」「不能食」など様々な呼称が用いられています。
食欲不振がさらに悪化して、食べ物のニオイを嫌がったり、食べ物を見るだけで気持ち悪い、吐き気、嘔吐するなどの症状を伴う場合は「悪食」「厭食」と言います。

 

2.分類

東洋医学的には食欲不振を以下の7つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

 

2-1.肝胃不和タイプ






 

2-2.脾胃湿熱タイプ







 

2-3.胃陰虚タイプ





 

2-4.脾胃気虚タイプ







 

2-5.脾胃虚寒タイプ










 

2-6.脾腎陽虚タイプ











 

2-7.傷食タイプ





 

3.解説とワンポイントアドバイス

3-1.肝胃不和タイプ

【解説】
精神的緊張(いわゆるストレス)などによってカラダのめぐりが悪くなるために起こります。
特徴は病状が感情の変化に関連するということが挙げられます。
ですから、イライラする、怒りっぽい、抑うつ感などの症状を伴います。

 

【ワンポイントアドバイス】
ストレスの原因になっていることが解決することが根本的治療になります。
しかし、それが難しい場合にはカラダをよく動かしてください。
気軽に始められる散歩が最もオススメです。
時間や距離を決めずにぶらぶら歩きましょう。
運動後にスッキリするようなものであればどんなものでも構いません。
自分に合った運動を見つけてみてください。

 

3-2.脾胃湿熱タイプ

【解説】
飲食の不摂生、脂っこいもの、味の濃いもの、甘いものの食べ過ぎなどによって、胃腸が弱ります。それにともない、余分な水分と余分な熱が多くなることで食欲不振が起こります。
特徴は上腹部がつかえて苦しい、むかむかする、嘔吐、脂っこいものを嫌う、食べ物のニオイを嫌う、全身倦怠感、手足が重だるいなどの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
脂っこいもの、味の濃いもの、甘いものは控えるようにしてください。
食欲のない時は無理に食べないようにしてください。
食欲が出てきたら、消化の良いものがから食べ始めるようにしましょう。

 

3-3.胃陰虚タイプ

【解説】
熱病の終盤、熱によって、胃を潤す作用が低下することで起こります。
特徴は空腹なのに食欲がない、口が渇く、唇や舌の乾燥、しゃっくり、便秘などの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
熱病がしっかりと治れば、徐々に食欲も回復してきます。
水分を摂って、しっかりと休息しましょう。

 

3-4.脾胃気虚タイプ

【解説】
飲食の不摂生、あるいは過労によって、消化器系の働きが低下するために起こります。
特徴は食欲が次第に減少して、ひどければ空腹感がなく、食後の上腹部の膨満感、食べる量が多いと吐き気がある、息切れ、疲労倦怠感などの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
飲食の不摂生に心当たりのある方は食事に気をつけるようにしてください。
過労の方はしっかりと休息を摂りましょう。
遅くとも23時には寝られるように心がけてください。
そして、栄養価のあるものをよく噛んで食べるようにしましょう。
東洋医学では手足をよく動かすと、消化器系の働きが良くなると考えます。
手を振ってよく歩くことをオススメします。

 

3-5.脾胃虚寒タイプ

【解説】
体質の虚弱な方が飲食の不摂生、納涼、冷たい食べ物や飲み物の過食などをすることによって起こります。
特徴は持続性の上腹部の鈍痛、あるいは一過性の上腹部痛、手で押さえると楽になる、冷えると増悪し、温めると楽になるなどがあります。

 

【ワンポイントアドバイス】
冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎは控えるようにしてください。
温かい、消化の良いものを食べるようにしましょう。

 

3-6.脾腎陽虚タイプ

【解説】
生ものや冷たいものの過食により、胃腸が冷え、さらにその状態が長く続いたことにより起こります。
特徴は慢性の経過をとり、腹部が冷えて痛む、温めると楽になる、口に唾液が溜まる、元気がない、疲労感、寒がる、腹痛が腰に放散する、未消化の下痢、あるいは早朝の下痢などの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
生ものや冷たいものの過食は控えてください。
温かい、消化の良いものを食べるように心がけましょう。
カラダが疲れていますので、良い睡眠を摂ることが重要です。
遅くとも23時には寝られるように心がけてください。

 

3-7.傷食タイプ

【解説】
食べ過ぎ、あるいは消化しにくいものを食べることによって胃に食べ物が停滞して起こります。
特徴は食欲不振の他に食べ物のニオイをかぐのも嫌がったり、上腹部の膨満感、ゲップ、悪臭のある便あるいは便秘などの症状を伴うことです。

 

【ワンポイントアドバイス】
お腹がすかないうちは飲食を控えましょう。
食欲が出て来たら、消化の良いものから始めてみましょう。
その後も食べ過ぎには注意です。

 

4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 上巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

 

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