頭痛

頭痛の原因による分類と対策【東洋医学タイプ分類】

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1.頭痛とは?

頭が痛むこと言います。
古代の医書には「真頭痛」「脳痛」と記載されており、軽度のものから※死に至るような重篤なものまであります。
頭痛は多種の急性・慢性疾患によくみられる症状ですが、ここでは「頭痛」が主症状である場合のものについて取り上げます。

※こんな時はすぐ病院へ※
↑大正製薬のサイトの説明が良くまとまっているのでリンクを貼っておきます(「あなたの頭痛のタイプをチェック」の下の方の囲みをご覧ください)。
以下は、上記を除外した上での分類と対策です。

 

2.分類

東洋医学的には頭痛を以下の8つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

 

2-1.外感風寒タイプ








 

2-2.外感風熱タイプ








 

2-3.外感風湿タイプ








 

2-4.肝陽上亢タイプ










 

2-5.気虚タイプ






 

2-6.血虚タイプ








 

2-7.血瘀タイプ


 

2-8.痰濁上蒙タイプ








 

3.解説とワンポイントアドバイス

3-1.外感風寒タイプ

【解説】
冷えの性質の強いカゼによって起こる頭痛です。
風に当たって冷えた後に生じます。
痛みの性質は「しめつけられるような痛み」というのが特徴的です。
冷えによって起こったものであるため、冷たい風に当たると増悪し、温めると寛解します。

 

【ワンポイントアドバイス】
カゼをひいた時と同じように処置しましょう。
基本的には水分を摂って、暖かくして、よく寝ることです。
冷えが原因となって起こったものですので、暖かくし、冷たい風などには当たらないように気を付けてください。

 

3-2.外感風熱タイプ

【解説】
東洋医学でいう「カゼ」には性質によりいくつかの分類があります。
その中で、このタイプは熱の性質の強いカゼによって起こる頭痛です。
熱い環境での作業などによって生じます。
痛みの性質は「張ったような痛み」というのが特徴的です。
温めると張り裂けそうに痛むようになり、目の充血や顔が赤くなるといった症状を伴います。

 

【ワンポイントアドバイス】
涼しく快適にしてください。
部屋は風通しを良くし、氷枕を使うのも良いでしょう。
食べ物は脂っこいものや味の濃いものは避け、さっぱりとしたものを食べるようにしてください。

 

3-3.外感風湿タイプ

【解説】
東洋医学で「湿(しつ)」と言われる水分の多い性質のカゼによって起こる頭痛です。
湿度の高い所での作業や消化器系が弱っている場合に起こりやすいです。
痛みの性質は「頭がしめつけられるように重く痛む」ことが特徴的です。
雨天などで湿度が高くなると増悪します。

 

【ワンポイントアドバイス】
部屋の湿度が高い場合には除湿してください。
のどが渇かない場合は無理に水分を摂る必要はありません。
生ものや冷たいものは胃腸に負担をかけ、余分な水分が溜まりやすくなりますので、避けるようにしてください。
多湿環境での作業は控えましょう。

 

3-4.肝陽上亢タイプ

【解説】
情緒の抑うつや怒りなどによってカラダの中に熱が生じておこる頭痛です。
めまいと頭痛が生じ、怒りによって増悪することが特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
悩みや怒りを解決できれば良いですが、それが難しい場合にはカラダを動かして発散しましょう。
東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があります。
これはココロとカラダは一体のものであるという考え方です。
ココロをコントロールすることが難しいものです。しかし、それと一体であるカラダを動かすことでココロを動かす事ができるのです。
運動後にスッキリとした気持ちになれるような自分に合った運動を見つけてください。

 

3-5.気虚タイプ

【解説】
慢性疾患や過労によって消化吸収機能が低下した結果、エネルギー不足となって起こる頭痛です。
頭の中が空っぽになったような感じの痛みが特徴的です。
倦怠感、息切れ、話すことがおっくうになるなどの症状も伴います。
疲労によって増悪します。

 

【ワンポイントアドバイス】
体力を回復させることがポイントとなります。
栄養価の高いものをよく噛んで食べるようにしましょう。
そして、遅くとも23時には寝るように心がけてください。
昼間はカラダをよく動かしましょう。
特に手足をよく動かして歩くことはおすすめです。
手足をよく動かすと胃腸が強くなりますので、消化吸収がうまくいくようになります。
さらに、日中によく動くと睡眠の質も良くなるため、相乗効果となります。

 

3-6.血虚タイプ

【解説】

産後や大量出血によって血液が少なくなることによって起こる頭痛です。
痛みの性質は「しくしく痛む持続性の頭痛」です。
頭のふらつきと顏色が青白い、動悸、不眠、目がかすむといった症状も伴います。

 

【ワンポイントアドバイス】
パソコンやスマホ、テレビなど、目の遣いすぎには注意しましょう。
東洋医学でいう「血(けつ)」を消耗します。
血(けつ)を補うためにレバー、豚バラ、お赤飯、ぼたもちなどを積極的に食事に取り入れましょう。

 

3-7.血瘀タイプ

【解説】

慢性的な痛みによって、血のめぐりが悪くなって生じる頭痛です。
打撲や転落などによるケガも原因となることがあります。
痛みの性質は「刺すような固定性の頭痛」です。

 

【ワンポイントアドバイス】
頭にケガをした覚えのある方は一度、医療機関を受診してください。
ケガの既往のない方は、症状が出ている時に運動すると、痛みが強くなる場合があります。控えるようにしてください。
痛みのない時にはカラダをよく動かすようにした方が良いでしょう。
また、ティースプーン1杯程度のベニバナ油が効果的な場合があります。

 

3-8.痰濁上蒙タイプ

【解説】
飲食の不摂生によって胃腸が弱り、余分な水分が生じることによって起こる頭痛です。
痛みの性質は「重く痛む頭痛」です。
さらにめまい、胸や上腹部の膨満感、水様物の嘔吐などの症状を伴うことが特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
脂っこいもの、味の濃いもの、ビール、冷酒、冷たい緑茶は避けるようにしてください。
消化器系のはたらきが弱っていますので、胃腸に負担をかけないように心がけましょう。
よく噛んで食べる、ながら食べをしない、早食いしないなどの当たり前と思えることは確実に実行しましょう。
さらに、寝る2、3時間前には夕食を食べ終えることによって、消化器系に負担をかけにくくなると同時に、睡眠の質も良くなるのでおすすめです。

 

4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 上巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

 

 

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