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【橈骨遠位端部骨折(スミス骨折)】症状・原因・治療まとめ

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1.スミス骨折とは

手の甲をつき転倒した時に、橈骨遠位端部(手関節に近い部分)が折れる骨折です。

コーレス骨折に比較してまれな骨折で、発生頻度も少ないです。

・原因
転倒した時に、手の甲をつき受傷する事が多いです。

自転車やバイクのハンドルを持ったまま、転倒した時にも受傷します。

橈骨遠位端部骨折は、受傷時の手のつき方により、伸展型(コーレス骨折)屈曲型(スミス骨折)に分類されます。

コーレス骨折はこちらから

・症状
橈骨遠位部周囲の強い痛みや運動時痛があり、手関節の可動域も制限されます。

特に物を掴んだり、親指と人差し指でつまむ動作が制限されます。

・治療
転位のない骨折や徒手整復で安定している骨折であれば、上腕からのギプス固定を行います。

徒手整復が困難な場合や、整復位が保持できない場合は手術の適応です。

・後遺症
神経損傷を合併した場合、手がしびれたりする後遺症が残る事もあります。

適切な処置をしないと変形癒合し、手関節の痛みや可動域制限を残す事があります。

高齢者の場合は拘縮予防のために、できるだけ早期に自動運動を開始する必要があります。

 

2.スミス骨折の症状

◆激しい痛み

受傷後すぐに痛みが出現し、骨折部に沿った痛みや運動時痛がでます。

骨折部はだいたい手関節から1~3㎝離れている部位です。

◆激しい腫れ

前腕遠位部(手関節に近い部分)や手関節にかけて激しい腫れがみられます。

受傷後数時間後には、手指にまで腫れが出現します。

◆可動域制限

痛みのために物を掴んだり、指先で摘むなどの手関節の動きが制限されます。

◆前腕部の変形

近位骨片が背側に転位する事により、背側凸の変形を呈します。

遠位骨片が掌側(手のひら側)に転位すると、骨折部の幅と厚さが増大し、手の甲が膨らんで見えます。

掌側転位が高度になり、近位骨片に騎乗かつ短縮するとスコップ型変形、(鋤(すき)状変形)を呈します。

【引用文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版】

 

◆手部のしびれ

骨折片や腫れが神経を圧迫し、指がしびれることもあります。

 

3.スミス骨折の原因

手の甲をつき転倒した際に、前腕部に屈曲力が加わる事で骨折します。

自転車やバイクのハンドルを持ったまま転倒した時にも受傷する事があります。

手のひらをつき前腕遠位部に過度回内力(内側に捻る力)が加わった際にも発生します。

【引用文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版】

 

4.スミス骨折の検査と診断

4ー1.触診

圧痛部位や転位の有無を確認します。

小児や転位がない場合は、手関節捻挫と間違えやすいので注意が必要です。

また正中、橈骨、尺骨神経損傷も合併しやすいため、神経学的所見の確認が必要です。

4ー2.画像検査

レントゲンにて骨折を検査します。

骨の折れ方で治療法が異なります。

折れた部分の骨折線が一本だけか、粉砕骨折などの不安定な骨折か、骨折線が手首の関節内に及んでいるかを見極めます。

CT検査ではレントゲンでは分かりにくい、関節内の骨折の転位を確認することも可能であり、重要な検査となります。

レントゲン、CTで診断し、手術が必要か、ギプス固定で治療出来るかを判断する要素となります。

 

5.スミス骨折の一般的な治療

転位が軽度のもの、転位がありながらも良い整復位が得られるものは、徒手整復後ギプス固定します。

粉砕骨折や脱臼骨折、徒手整復しても良い整復位が得られない場合などは、手術の適応です。

5ー1.骨折の整復

・牽引直圧整復法

患者を仰向きで寝かせ、患者の肘関節を90°屈曲させ、助手に骨折部中枢を把握固定させます。

術者は両拇指を掌側に、両四指を背側に当て、手根部と共に遠位骨片を把握し、前腕回外位で末梢牽引します。

牽引を緩めず、両示指で近位骨片を背側から掌側方向に圧迫し、同時に両拇指で掌側方向から背側方向に遠位骨片を直圧して整復します。

この位置を保ちながら上腕から手関節までのギプス固定を行います。

・フィンガートラップ牽引整復法

指にサックをつけ、上から吊るすようにし垂直に牽引します。

20分ほど牽引し、筋緊張が緩和すれば腕の重みだけで、良好な整復位が得られます。

また、腕に重りをつけて上下に引っ張り合います。

この時に、術者が折れた骨片を背側に元に戻すように圧迫し整復する方法です。

5ー2.保存療法

◆固定

肘関節90度屈曲位、前腕回外位、手関節軽度背屈、尺屈位で上腕遠位から手関節までギプス固定を行います。

この肢位での固定は、長くても3週間までとし、2週間を過ぎれば徐々に良肢位(日常動作に不自由の少ない肢位)に近づけます。

◆運動療法

指の運動は拘縮予防のため翌日から開始し、循環の改善を図ります。

4~5週間で固定を外し、徐々に手関節の運動を始めます。

高齢者の場合は、肩や肘関節に拘縮を残す事が多いので、積極的に運動を行います。

5ー3.手術療法

転位が大きい場合や整復位が保持出来ない場合は、プレートや数本のスクリューを用い固定します。

 

6.スミス骨折の合併症

手をつき転倒した際に起こる疾患は多く、下記の疾患を合併する事もあります。

◆尺骨茎状突起骨折

前腕の尺骨の手関節に近い部位の突起部の骨折で、合併する確率が1番高いです。

◆手根骨骨折(舟状骨)

手をつき受傷する事が多く、見逃しやすいので、圧痛部位の確認が大切です。

◆正中、橈骨、尺骨神経損傷

骨折片や腫れにより、神経を損傷し指先にしびれが出る事もあります。

コーレス骨折よりも、正中神経損傷を合併する事が多いです。

橈骨神経麻痺はこちらから

◆尺骨突き上げ症候群

橈骨が短縮し、尺骨が月状骨や三角骨などの尺側手根骨を突き上げ、手関節の動きに痛みがでます。

 

7.スミス骨折と間違いやすい疾患

◆手関節捻挫

転位がなく、腫れも軽度な場合は単なる捻挫と間違いやすいです。

特に小児の若木骨折の場合は腫れも軽度で、鑑別が必要です。

 

8.スミス骨折の予後と後遺症

転位が少なく、良好な整復位を保持出来れば予後は良好です。

高齢者は固定により、肩や肘関節の拘縮を起こしてしまう事が多いので、積極的に運動を行い、拘縮を防ぐ事が大切です。

粉砕骨折や転位が大きい場合は、手関節の可動域制限が残ったりと予後は悪いです。

骨折を放置し、正しい治療が行われずに変形治癒してしまうと、手関節を動かす時に痛みが残る事もあります。

なので、手をついた時の痛みが長引くようであれば、早めに医療機関を受診する事が重要です。

 

 

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