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足の裏の痛みと痺れ【足根管症候群】症状・原因・治療まとめ

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1.足根管症候群について

足根管症候群とは、内くるぶしの下で、やや後ろ寄りにある足根管と言われる部分で神経が圧迫されることによっておこる神経障害のことを言います。
足根管は足根骨と屈筋支帯に囲まれ、神経が通るトンネルを作っています。
足根管の中には脛骨神経、長母趾屈筋腱、長趾屈筋腱、後脛骨筋腱、後脛骨動脈、後脛骨静脈が通っています。
何らかの理由で、足根管が狭くなることで、神経が圧迫され、足の裏のしびれや痛みといった症状が出ます。

【引用文献:標準整形外科学 第10版】

2.足根管症候群の症状

◆足底部のシビレ

後脛骨神経の支配領域である足の裏がしびれます。
後脛骨神経は足底で外側足底神経、内側足底神経、内側踵骨枝に枝分かれし、足底の感覚を司っています。
各々の支配領域があるため、しびれの部位によってどの神経が障害されているかを判断することができます。

◆痛み

足根管部から後脛骨神経支配領域である足の裏にかけての痛みを生じます。
安静時の痛みがなくても足根管部の圧痛が見られます。

◆母趾球の萎縮

母趾球とは足裏の親指の付け根にあるふくらみのことを言います。
後脛骨神経はこの母指球を構成している筋肉を支配しているため、神経の圧迫が長く続くと筋肉の萎縮が生じます。

 

3.足根管症候群の原因

◆ガングリオンなどの腫瘤によるもの

ガングリオンとは手足の関節付近にできる両性の腫瘍です。
このような腫瘤によって、足根管が狭くなることで、症状が生じます。

◆骨性隆起によるもの

変形性足関節症や骨癒合症などによって、足根管を形成する骨が隆起することで、足根管が狭くなり、神経を圧迫します。

◆外傷によるもの

スポーツなどでの捻挫によって、足根管を構成する靱帯などが損傷を受けることで、足根管を通る神経を圧迫します。

◆原因不明

上記のような異常所見が見られないにもかかわらず、症状がある場合もあります。
このような原因不明のものを「特発性足根管症候群」と言います。

 

4.足根管候群の検査と診断

【引用文献:標準整形外科学 第10版】

◆チネル様徴候

足根管部を軽く叩くと、後脛骨神経の支配領域(足底)に痺れが走ります。

◆足根管部の圧痛

足根管部をおさえると、痛みがあります。

◆感覚障害の有無

知覚に異常がないか、問診や触診によって確認します。

 

5.足根管症候群の一般的な治療

◆保存的療法

非ステロイド系の抗炎症剤やビタミンB製剤が処方されます。
局所に副腎皮質ステロイド薬の注入を行う場合もあります。

◆手術的療法

ガングリオンや腫瘤を取り除いたり、骨性隆起の切除など、後脛骨神経への圧迫原因を取り除いたり、屈筋支帯からの神経剥離を行います。

 

7.足根管症候群の鑑別疾患

足根管症候群の他にも足底にしびれが起こる病気はいくつかあります。
以下にその代表的な疾患を挙げます。

◆モートン病

モートン病では足の指先に痺れが起こることが特徴的で、足底へのしびれはありません。

◆腰椎ヘルニア・腰椎すべり症・梨状筋症候群

いずれも足根管症候群と同じように足底へのしびれが起こります。
しかし、お尻や太ももの裏などシビレの範囲が広範囲に及ぶことが足根管症候群との違いです。

◆糖尿病

糖尿病でも足底へのしびれが起こることがあります。
しかし、足根管症候群の多くが片側性であるのに対し、糖尿病の足底のしびれは両側性であることが特徴的です。

 

8.足根管症候群の予後と後遺症

腫瘤や骨隆起などがある場合にはその原因疾患の治療を優先します。
原因疾患を取り除いた場合、しびれや痛みは減少します。
しかし、筋萎縮がある場合には萎縮の回復には時間がかかる場合があります。

 

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