睡眠障害

寝られない!不眠の症状による分類と対策【東洋医学タイプ分類】

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1.不眠とは?

不眠とは常に睡眠が不足することを言い、寝つきが悪い、すぐに目が覚めてなかなか寝つけない、ひどければ夜通し眠れないなどの症状も含まれます。
異常な暑さや寒さ、不適当な寝具、睡眠前の興奮性飲料の摂取、精神的刺激や考え事などでたまに睡眠が不足する場合は病的ではありませんので、本項には含まれません。

 

2.分類

東洋医学的には不眠を以下の8つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

2-1.心陰虚タイプ









 

2-2.心腎不交タイプ










 

2-3.心脾両虚タイプ











 

2-4.胆気虚タイプ








 

2-5.肝胆鬱熱タイプ










 

2-6.痰熱擾心タイプ










 

2-7.心火タイプ









 

2-8.余熱擾膈タイプ






 

3.解説とワンポイントアドバイス

3-1.心陰虚タイプ

【解説】
過度の心労などによって、東洋医学でいわれる「心(しん)」が養われないために起こる不眠です。
東洋医学では、不眠は「心(しん)」のはたらきが不安定になることによって起こると考えます。

【ワンポイントアドバイス】
過度の心労が原因となりますので、根本的には原因となっている心配事や悩みを解決する必要があります。
しかし、解決できない場合には、昼間にカラダをよく動かしましょう。

 

3-2.心腎不交タイプ

【解説】
東洋医学で言う心(しん)と腎(じん)は互いに栄養し合い、はたらきを助けていると考えます。
その為、腎のはたらきが低下すると、心のはたらきにも影響をが及びます。
心腎不交のタイプは疲労などによって、腎のはたらきが低下したために起こる不眠です。

 

【ワンポイントアドバイス】
腎のはたらきが低下する原因は疲れにあります。
疲れは加齢、睡眠不足、過労、セックス過多が原因です。
睡眠不足も疲れの原因になるため、このタイプは悪循環となります。
しかし、過労やセックス過多に思い当たることがある場合にはその点を気をつけてみましょう。
養生のみで解決できる場合もあります。
さらに、根菜類、粘るもの、黒いもの(ヤマイモ、黒ゴマ、納豆など)は腎を補うはたらきのある食品ですので積極的に摂りましょう。

 

3-3.心脾両虚タイプ

【解説】
思い悩んだり、疲労などによって消化器系の働きが落ちます。すると、必要なエネルギーを作ることができなくなります。
東洋医学では良い睡眠を摂るには「心(しん)」が安定していなければならないと考えます。
必要なエネルギーが作られないと、心を栄養することができなくなるため、不眠の症状が生じます。

 

【ワンポイントアドバイス】
疲労と消化器系の弱りが原因ですので、体力を回復させることと、胃腸に負担をかけないように心がけましょう。
過度の労働などをされている場合は、少しセーブしてください。
セックス過多も疲労の原因となりますので、注意が必要です。
消化器系に負担をかけないよう、よく噛んでたべること、早食いしないこと、寝る2、3時間前には夕食を食べ終えることなどを心がけてください。
生野菜やお刺身などは控え、よく火を通したものを食べるようにして下さい。

 

3-4.胆気虚タイプ

【解説】
『胆(きも)が据わっている』という言葉がありますが、これは東洋医学からできた言葉です。
「胆(たん)は決断を司る」と言い、胆のはたらきが弱くなると、恐怖感が出るようになります。
また、逆もしかりで、驚いたり、恐怖したりしても、胆のはたらきが弱くなります。
このように恐怖によって入眠できないタイプが胆気虚タイプです。

 

【ワンポイントアドバイス】
日の光によく当たるようにしてください。
東洋医学には「心身一如」という言葉があります。ココロとカラダはつながっているという意味です。
ですから、カラダを鍛えることによって、精神的にもタフになります。
だまされたと思ってやってみてください。

 

3-5.肝胆鬱熱タイプ

【解説】
悩みや怒りによってカラダのめぐりが悪くなったり、お酒の飲み過ぎによってカラダの中に余分な水分と熱が溜まることが原因で不眠になります。
眠りが浅く夢よく見て目が覚めやすい、イライラしている、ため息をつくなどの症状が特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
根本的には悩みの解決や感情をコントロールできるようになることが重要ですが、なかなか難しいものです。
しかし、そのようなココロの問題で出来上がってしまったカラダの状態はカラダを動かすことによって解消することができます。
これを「代償行為」と言います。
怒りが湧いたり、悩みがある時にこそ、カラダをよく動かすようにして下さい。

 

3-6.痰熱擾心タイプ

【解説】
胃腸が弱っていたり、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎによって、カラダの中に余分な水分と熱が多くなることによって生じる不眠です。
不眠症状と同時に、胸が苦しい、痰が多い、嘔吐等の症状がある事が特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
胃腸に負担をかけないことが重要です。
生ものなどは控え、よく火の通ったものを食べる、よく噛んで食べる、寝る2,3時間前には夕食を食べ終えるようにするなどを心がけてください。
そして、脂っこいもの甘いものの食べ過ぎにも注意しましょう。

 

3-7心火タイプ

【解説】
心労によって、東洋医学でいう「心(しん)」が不安定になることによっておこる不眠です。
不眠、夢が多い症状と同時に、胸の中が熱い感じがする、動悸、顔が熱く赤い、口が苦い、口内炎などの症状が特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】
心労をコントロールすることは難しいものです。
ですから、前述の通りこのタイプの方も昼間によくカラダを動かすのが良いでしょう。

 

3-8.余熱擾膈タイプ

【解説】
熱病の後に熱が残ってしまい、「心(しん)」のはたらきを低下させるために起こる不眠です。
発熱した後に病が通常の経過をたどって治らない場合や、治る過程に起こる場合等もあります。

 

【ワンポイントアドバイス】
東洋医学の専門家に治療してもらうのが一番良いでしょう。
良い漢方医、良い鍼灸院をお探しください。

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4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

参考文献:中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 下巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

 

 

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