むくみ・浮腫・腫れ

甲状腺機能低下症の症状・原因・治療まとめ

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1.甲状腺機能低下症とは

甲状腺では体の代謝をつかさどるホルモンが作られています。
甲状腺機能のはたらきが低下すると、それらのホルモンが少なくなるため、全身の代謝が低下します。そのため、抑うつ状態になったり、皮膚が乾燥したり、便秘や体重増加などの全身の様々な症状が起こる病気の総称です。
甲状腺機能低下症には、橋本病(慢性甲状腺炎)、萎縮性甲状腺炎、アミロイドシス、クレチン症など疾患が含まれます。

 

2.甲状腺機能低下症の症状

症状は多岐にわたります。
患者さんの自覚としてはだるい、むくみなど全身症状や皮膚症状が多いです。
しかし、自分では症状に気づかないことも多く、首の前が腫れていることなどを偶然指摘されて見つかるケースもあります。

全身の症状: 全身倦怠感・体重増加・むくみ・疲れやすい・だるい・眠たい・寒がり・息切れ
精神機能の症状: 無気力・抑うつ・記憶障害
皮膚の症状: 皮膚が乾燥する、荒れる・毛髪が抜けやすい

などの代謝の低下を表す、様々な症状が起こります。

 

3.甲状腺機能低下症の原因

【原発性】甲状腺自体に異常があるためにホルモン分泌ができない場合のもの。

慢性甲状腺炎(橋本病)

甲状腺機能低下症で最も多い原因で、自己免疫疾患のひとつです。
免疫は通常であれば体にとって異物となるものを判別し、自己を守るための仕組みです。しかし、それらの免疫組織が自分のカラダを異物として認識し、自らを攻撃してしまうことで起こる病態を自己免疫疾患と言います。
慢性甲状腺炎は、自ら甲状腺を異物と認識して攻撃することによって、慢性炎症を起こし、機能が低下した状態です。

◆先天性甲状腺機能低下症

生まれつき甲状腺のはたらきが弱いために起こります。
クレチン症とも呼ばれ、日本では3000~4000人に一人の確率で生まれているといわれています。

◆阻害型抗TSHレセプター抗体

甲状腺ホルモンは下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの刺激によって生成、分泌されます。しかし、甲状腺刺激ホルモンを阻害する抗体があると、甲状腺でのホルモン分泌が行われなくなります。

◆医原性

甲状腺機能亢進症の治療に用いられる放射性ヨウ素治療、抗甲状腺薬過剰投与、甲状腺全摘術や、慢性肝炎に対するインターフェロン治療の後におこります。

◆甲状腺浸潤性疾患

ガン細胞などが甲状腺に浸潤し、違う細胞に置き変わっていくことによって、甲状腺の機能が低下します。

◆ヨウ素の過剰と欠乏

甲状腺ではヨウ素を原料にホルモンを生成しますが、ヨウ素の量が多すぎても少なすぎても甲状腺機能に異常が起こります。
過剰は、わかめや昆布などのヨウ素を多く含む食品を食べ過ぎることによって起こります。

欠乏は日本ではほとんどありませんが、海外の大陸中央部(アメリカ、モンゴル、カナダ、スイスなど)ではヨウ素の不足による甲状腺異常が多く、現在では食塩にヨウ素を添加が義務化されている地域も多いです。

◆一過性甲状腺機能低下症

無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎の後に起こる一過性の甲状腺機能低下症です。
出産後にも一過性に起こることもあります。

 

【中枢性】甲状腺ではなく、脳に異常がある場合。

◆脳腫瘍、脳外傷など

甲状腺は脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激によって機能します。
そのため、甲状腺自体に異常がなくても、甲状腺刺激ホルモンが分泌されないと、甲状腺ホルモンも分泌されません。(二次性)
また、甲状腺刺激ホルモンは視床下部から出る甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の刺激によって分泌されるため、視床下部に異常があった場合も甲状腺に支障をきたします。

4.甲状腺機能低下症の検査と診断

◆ヨウ素摂取率検査

放射性ヨウ素の取り込み具合を見ることによって、甲状腺の機能を調べます。

◆血液検査

甲状腺ホルモンなどを測定し、検査します。

◆超音波検査

甲状腺の大きさやしこりの有無などを検査します。

◆エコー検査

甲状腺に結節などがないか検査します。

◆MRI検査

甲状腺刺激ホルモンが低値の場合は、下垂体や視床下部の異常を見るため、脳の検査をします。

◆細胞診

甲状腺の細胞を直接取って検査します。

 

5.甲状腺機能低下症の一般的な治療

原因に応じた治療を行いますが、一過性の場合は治療の必要はありません。

◆薬物療法

甲状腺のホルモンを補う薬

◆ヨウ素摂取の制限

ヨウ素過剰摂取が原因の場合にはヨウ素の接種を制限します。

◆手術療法

特に中枢に原因がある場合には手術を行う場合があります。

 

6.甲状腺機能低下症の鑑別

甲状腺機能低下症のほとんどが原発性と言われますが、甲状腺機能低下症を疑った場合にはまず原発性と中枢性疾患との鑑別をする必要があります。

 

7.甲状腺機能低下症の予後と後遺症

甲状腺の機能に問題がなければ日常生活に支障をきたすことはありません。

甲状腺機能低下症は他の病気を続発することもあります。

主に、
・関節リウマチ
・SLE(全身性エリテマトーデス)
・線維筋痛症
・アジソン病
・シェーグレン症候群
・Ⅰ型糖尿病
などがあります。

 

※内容に誤りや情報が古いなどありましたらお手数ですがご一報ください。

 

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