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大腿骨遠位骨端線離開の症状・原因・治療まとめ

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1.大腿骨遠位骨端線離開について

こどもの骨は成長途中のため完全に骨化しておらず、骨幹と骨端の間に骨の長さの成長を担う成長軟骨板というものがあります。
レントゲンでは軟骨組織は写らないためちょうど線のように写ります。
この部位を骨端線と呼びます。

骨端線部分は外力に弱いため、事故やスポーツ外傷などの強力な外力が加わると離開されることがあります。
これを骨端線離開といいます。
多くは肩関節や肘関節に起こりますが、大腿骨の遠位部が離開されたものを「大腿骨遠位骨端線離開」と呼びます。

比較的少ない外傷ですが、10歳前後の子どもに起こりやすいです。
成長を担う成長軟骨板が損傷を受けると成長障害や変形などが起こることもあります。

 

2.大腿骨遠位骨端線離開の症状

◆激しい痛み

損傷部位に激しい痛みが起こります。

◆膝周辺を中心とした高度な腫脹

内出血のため膝の周囲は大きく腫れます。
さらに膝窩部には膝窩動脈という動脈も通っており、骨片の転位方向によっては動脈損傷もおこります。

◆可動域制限

激しい痛みのために膝を動かせなくなります。
体重をかけることもできなくなるため歩行ができません。

◆下腿の冷感・痺れ

膝周囲の神経が損傷・圧迫を受けると痺れや感覚障害が起こります。
動脈損傷を伴っている場合は循環障害が起こるため下腿の冷感があります。

 

3.大腿骨遠位骨端線離開の原因

事故やスポーツ外傷、高所からの落下により、大腿骨の遠位部に強力な外力が加わり受傷します。
外力が加わると弱点部である成長軟骨板に負荷がかかり離開されます。

◆小児の骨の特徴

子どもの骨が完全に骨化するのは約18歳前後と言われています。
それまでは骨の大部分は軟骨で形成されており、徐々に骨化が完了していきます。

小児の場合骨や軟骨組織が損傷しても、大人に比べて回復が早く予後も良好となります。
しかし、損傷の仕方によっては成長障害や成長に伴って変形がおこることもあります。

子どもの骨折では骨折の仕方による分類があります。

 

・ソルターハリス(Solter-Harris)分類

引用文献:標準整形外科学 第12版

TypeⅠ 骨端と骨幹端が完全に分離しますが骨折は伴いません。
幼小児に多く、成長障害を残すこともありません。
TypeⅡ 最も頻度の多い型です。成長軟骨板の分離と三角骨片を伴います。
年長児に多く整復も容易で成長障害を残すこともありません。
TypeⅢ Ⅱ型と逆で、骨端部に骨片を伴い、関節内に骨折線が及ぶ稀な損傷です。
関節面の整復を正確に行えば成長障害を残すことは稀です。
TypeⅣ 関節面から成長軟骨板を越えて骨幹端に至り、縦に骨折線が走ります。
手術にて関節面と成長軟骨板を整復し固定します。
完全な整復が得られない場合は予後が不良となります。
TypeⅤ 長軸方向の外力により成長軟骨板が圧挫します。
膝や足関節に起こりやすいです。
転位がないため受傷直後は診断が困難で、圧挫された成長軟骨板は早期に閉鎖し、成長障害や変形を生じ予後は最も不良となります。

 

◆大腿骨遠位骨端線離開の分類

 

 

・伸展型
膝を伸ばした状態で大腿骨遠位への外力により受傷します。

転位方向
大腿骨は後方へ遠位骨片は前上方へ転位します。

 

・屈曲型
膝を曲げた状態で大腿骨の顆部に外力が加わり受傷します。

転位方向
大腿骨に対して遠位骨片は後方に転位します。

 

・外転型
膝を伸ばした状態で外側からの外力により受傷します。

転位方向
骨端部は三角骨片を付着したまま外方へ転位します。

 

4.大腿骨遠位骨端線離開の検査と診断

◆視診

転位が強ければ見かけ上でも外反・反張などの変形がわかることもあります。

◆画像検査

レントゲンにて転位の方向や重症度を確認します。

 

5.大腿骨遠位骨端線離開の合併症

◆膝窩動脈損傷

膝窩に通る動脈を膝窩動脈といいます。
受傷した際や骨端部の転位方向、腫れにより圧迫・断裂することによって循環障害が起こります。
伸展型に合併することが多いです。

6.大腿骨遠位骨端線離開の一般的な治療

損傷の型によっては成長障害や変形を残すことがあるため経過を注意深く観察しながら治療を行います。
成長軟骨板の早期閉鎖による変形が発生した場合は手術での矯正を行います。

◆保存療法

・整復
全身麻酔下で骨折部を整復します。
整復位安定のために鋼線を内外側から刺入し安静を保ちます。

・運動療法
受傷部の経過を観察しながら運動を行います。
子どもの場合、高齢者や成人と比べて関節周囲の拘縮も残ることが少ないです。

◆手術療法

損傷が高度な場合や複数の骨折を複合している場合は手術を選択することもあります。

 

7.大腿骨遠位骨端線離開の予後と後遺症

子どもの場合、治癒期間も成人より早く固定による関節の拘縮も早期に治癒するため後遺症を残しにくいです。
しかし成長軟骨板の損傷や関節面にまで損傷が及んでいる場合、整復が困難な場合では成長障害を起こすこともあります。

◆成長障害

大腿骨遠位端部の成長軟骨板は人体の中でもっとも成長が著しく、下肢全体の長軸成長の約40%に関与しています。
したがって成長軟骨板が損傷を受けると足の長さに差がでたり、成長とともに変形することがあります。

 

 

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