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腕と足の関節の痛みの分類と対策【東洋医学的タイプ分類】

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1.四肢の疼痛とは?

手から腕にかけてを「上肢」、太ももと膝から下を「下肢」と表現します。
「四肢」とは「上肢」と「下肢」を合わせたものです。
ここではその上肢と下肢、あるいは上下肢の筋肉・関節・軟部組織などの痛みについて取り上げます。

 

2.分類

東洋医学的には四肢の疼痛を以下の7つのタイプに分類して、治療や養生指導を行っていきます。
自分がどのタイプなのかを知ることは治癒への第一歩です。
それぞれの特徴的な症状をチェックして、一番チェック数が多かったタイプの解説・対策法を参考にしてみてください。

 

2−1.風邪阻絡タイプ



 

2−2.寒邪阻絡タイプ




 

2−3.湿邪阻絡タイプ




 

2−4.熱邪阻絡タイプ




 

2−5.湿熱阻絡タイプ


 

2−6.気血両虚タイプ



 

2−7.肝腎両虚タイプ






 

3.解説とワンポイントアドバイス

3−1.風邪阻絡タイプ

【解説】

原因となる「風邪(ふうじゃ)」にはよく変化し、移動する性質があります。
そのためこのタイプの特徴として、色々な場所で痛みがおこり、痛む場所が変わることが挙げられます。

 

【ワンポイントアドバイス】

汗をかいたらこまめに拭いたり着替えるようにしましょう。
悪寒、発熱などカゼの症状があれば暖かくして水分をとり、ゆっくり休みましょう。

 

3−2.寒邪阻絡タイプ

【解説】

カラダが冷えたために起こります。
痛みが強く、痛む場所が固定していて、手足の冷えを伴うのが特徴です。

 

【ワンポイントアドバイス】

カラダを冷やさないように保温しましょう。
カイロなどで加温しすぎて汗をかいてしまい、それが冷えると逆効果になります。
汗をかいた場合はすぐ着替え、加温より保温を心がけてください。
冷たい緑茶、お刺身、冷酒などはカラダが冷えるので避けましょう。

 

3−3.湿邪阻絡タイプ

【解説】

雨などでカラダが濡れたままにしていたり、余分な水分がカラダに溜まるために起こります。
痛む場所が一定で、重だるい痛み、しびれ・だるく痛むなどの症状が特徴です。

 

【ワンポイントアドバイス】

濡れたり湿った衣服はすぐに着替えましょう。
必要以上に水分を飲むのは余分な水分がカラダに溜まる原因となりますのでやめましょう。
喉が渇いた時に飲めば十分です。
カラダから余分な水分を取り除く、ハトムギ荼を飲むのもおススメです。

 

3−4.熱邪阻絡タイプ

【解説】

元々熱を持ちやすい体質の人に起こりやすいです。
手足の関節の赤み、熱感、痛みなどの熱症状が見られるのが特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】

辛いもの、味の濃いもの、脂っこいものや甘いものはカラダに熱をもちやすいので避けましょう。

 

3−5.湿熱阻絡タイプ

【解説】

カラダに余分な水分と熱が多くなることで起こります。
手足が重だるいなどの症状が特徴的です。

 

【ワンポイントアドバイス】

脂っこいもの、甘いもの、お酒の飲み過ぎは控えましょう。
キュウリなどの瓜の仲間やハトムギ荼などは余分な水分と熱を取り除くのでおススメです。

 

3−6.気血両虚タイプ

【解説】

大きな病気や慢性病、産後などで体力が落ちている人に起こります。
顏色が白く、筋肉がやせている、カラダがだるい、しゃべるのがおっくうなどの症状が見
られます。
気血両虚タイプはさらに悪い血がたまる「お血タイプ」、余分な水分が溜まる「痰濁タイプ」に分けられます。

お血タイプ:関節の決まった場所に刺すような痛み、圧痛がある、肌がカサカサする、痩せる、関節の変形や拘縮(関節の動きの制限)がみられる

痰濁タイプ:四肢の痛み、カラダが重だるい、頭がしめつけられるような感じがする

 

【ワンポイントアドバイス】

体力の回復が最優先です。栄養価の高いものをよく噛んで食べましょう。
また、軽い運動から始めてカラダに負荷をかけ、体力をつけていきましょう!

お血タイプ:お血が起こる原因にもよりますが、毎日ティースプーン1杯のベニバナ油が効果的な場合もあります。

痰濁タイプ:消化吸収が悪いことで起こります。暴飲暴食をしないように、よく噛んで食べましょう。
アルコール、刺身、もち米は避けましょう。

 

3−7.肝腎両虚タイプ

【解説】

東洋医学では「肝」は筋をつかさどり、「腎」は骨をつかさどると考えられています。
この「肝」と「腎」が上手く働いていないと、筋と骨が栄養されないために四肢の痛みが起こります。
このタイプは筋肉、関節がゆるむまたは動きが悪くなりだるく痛む、腰や膝がだるくて力が入らないなどの症状が特徴的です。

さらにこのタイプは陰虚タイプと陽虚タイプに分けられます。

陰虚タイプ:四肢の関節に熱を持った痛み、冷やすと楽になる、痛みが夜間に強くなる

陽虚タイプ:両足がむくむ、泥状〜水のような便、尿がうすくて多い、手足の冷え

 

【ワンポイントアドバイス】

肝と腎の機能をアップするには、よい睡眠を摂る事が第一です!
よい睡眠をとるためには

・夜11時までには寝る
・寝る3時間前までに食事を済ませる
・寝る前に本やテレビ、スマホなどを見ない

また、日中軽い運動などでカラダを疲れさせることで夜眠りやすくなります。
太陽の下で畑仕事が最もおススメです!

陰虚タイプ:睡眠に加えて、根菜や黒い食べ物、粘りのある食べ物を積極的に摂りましょう。

陽虚タイプ:カラダをよく動かすようにして、カラダの中から温める力を高めましょう!
汗をかいたらこまめに汗を拭いたり着替えたりして、冷えないように気をつけて下さい。
クルミを食べることがおススメです。

 

4.まとめ

皆さんはどのタイプだったでしょうか?
今回のチェックでは大まかに自分がどのタイプなのかお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、細かな正確な体質分類は専門家でなければできませんので、お近くの良い鍼灸院をお選びください。

また、各タイプ別のワンポイントアドバイスはタイプが正確に決定できてこそ効果があります。
このワンポイントアドバイスによって症状が悪化したなどの場合、当サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。

参考文献:
中医研究院 趙金鐸(1987)『症状による中医診断と治療 上巻』神戸中医学研究会編訳,燎原書店.

 

 

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