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秋の花粉症の症状と原因と対策 まとめ

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1.秋の花粉症について

花粉症は春だけでなく秋にも発症することをご存知ですか?
秋の花粉にはブタクサ・ヨモギ・カナムグラ・ススキなど道端に生えている身近な雑草が多いです。
春花粉に比べて飛散も少ないようですが、秋花粉による花粉症も少なくありません。
原因となる雑草の特徴や花粉のメカニズム、秋花粉についての情報をまとめました。

まずは「花粉症」というものについて知っておきましょう。

◆花粉症について

花粉によって生じるアレルギーを花粉症と言います。
主に鼻に起きるものをアレルギー性鼻炎、目に起こるものはアレルギー性結膜炎に分類されます。
これらを総称して「花粉症」と呼ばれます。

花粉症の約70%はスギ花粉と言われています。
国土の12%の面積を占めるためだとも言われます。

 

花粉が鼻や目に入ると体内では以下のようなアレルギー反応が起こります。
アレルギー反応とは以下のようなメカニズムで起こります。

 

2.アレルギー反応の仕組み

アレルギー反応とは「あるものに対して過敏に反応する状態」と言えます。

私たち動物には体を守る免疫機能が備わっています。
しかし、アレルギーでは体には無害なものにも免疫が反応してしまい種々の症状が発症します。

あるものとは、花粉を含め、食物・ダニ・ほこり・金属・動物など様々なものがあります。

 

◆花粉症のメカニズム

免疫によって「花粉は異物である」と体が認識してしまうことも花粉症と言えます。

本来は、免疫の働きによって細菌やウイルスから体を守ることができます。
しかし、私たちの体に対して害を与えないものに対しても「異物だ!」と反応してしまうのが「アレルギー反応」です。

アレルギーの反応の仕方によりⅠ型~Ⅴ型に分類されます。
その中でも花粉症の反応が含まれるⅠ型アレルギーについて説明します。

 

◆Ⅰ型アレルギー:アナフィラキシー型(即時型)

人間の体にはもともと異物が入らないように皮膚・粘膜のようなバリアが備わっています。
何らかの理由でこれらを突破され体内に侵入すると免疫反応が起こります。

体内に原因物質(抗原[アレルゲン])が侵入するとIgE抗体というタンパク質と結合します。
すると、この情報を受け取った脂肪細胞はヒスタミン(炎症性物質)を放出し、くしゃみや目のかゆみなどの症状が発症します。
この反応は抗原(アレルゲン)との接触から15分から20分で起こる即時型です。
症状は1時間程度で治まります。

実は症状が出ていないだけで、以前から体の中では感作の状態になっています。
そこに再びアレルゲンが侵入すると突然発症します。
感作とはIgE抗体が皮膚や粘膜で待機している状態のことをいいます。

Ⅰ型アレルギーには他にも、

・アトピー性皮膚炎
・一部の食物アレルギー
・一部の蕁麻疹(じんましん)
・アナフィラキシー

などが含まれています。

純粋なⅠ型アレルギーは、食物アレルギー・蕁麻疹・アナフィラキシーだけです。
他の疾患は症状が長引いたりするため、他のアレルギー型とも関係が深いとされています。

これらの免疫反応を起こす秋の植物は多くあります。
しかも、道端などに生えている植物が多いため身近な存在ともいえます。
それらの植物の特徴と時期、生息場所を把握しておきましょう。

 

3.秋の花粉症の原因植物

秋に花粉症の原因としてあげられている植物は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ・イラクサ・ススキが多いです。
雑草自体の背も低いためスギやヒノキのように広く飛散しません。

それらの植物について以下のような特徴があげられています。

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◆ブタクサ

・特徴
スギやヒノキに次いで多い花粉症アレルゲンです。
高さは1メートルほどで、2~3ミリの黄色い小花が咲きます。
葉は細かく切れています。

・飛散時期

7月から10月に多く飛散します。

・生息場所

全国に広く分布し、土手や道端、荒れ地などに生えています。

 

◆ヨモギ

・特徴
裏面には白い毛が生えていて、葉は大きく裂けています。

・飛散時期
8月から10月に多く飛散します。

・生息場所
全国に分布し、山野や道端、空き地などに生えています。

 

◆カナムグラ

・特徴
つる植物で、葉は深く切れ込んだ掌状です。
表面はざらつき、茎には鋭いとげがあります。

・飛散時期

8月~10月に飛散します。

・生息場所

全国に分布します。
木や電柱、ガードレールに絡みつき、道端や荒野地など生えています。

 

◆イラクサ

・特徴
30センチ~50センチの高さで、葉と茎には刺毛があります。

・飛散時期

6月から9月に飛散します。

・生息場所

関東以南の本州・四国・九州に自生し、近年では北海道でも自生しています。

 

◆ススキ

・特徴
高さは1~2メートルで、秋の七草のひとつです。

・飛散時期

9月頃に飛散します。

・生息場所

日本全国に分布します。
日当たりの良い山野に生えています。

 

4.秋の花粉症の症状

人によって症状の強さは異なります。
生活に支障をきたすほどの症状もあります。

◆鼻の症状

・鼻水
サラサラした透明の鼻水が出ます。

・鼻づまり
粘膜の炎症により腫れるため鼻づまりが起こります。

・くしゃみ
粘膜についた異物を排除するためにくしゃみが起こります。
また炎症により鼻粘膜が敏感になっているためくしゃみが起こりやすくなります。

 

◆目の症状

・目のかゆみ
目の炎症により、かゆみを発症します

・涙目
アレルゲンの侵入を防ぐ、またはアレルゲンを排出するために涙が分泌されます。

・充血
結膜の炎症により目の血管が拡張され血流が豊富に流れ込んできます。
そのため目が充血します。

 

◆その他の症状

・気管支喘息
春の花粉に比べ、秋の花粉は粒子が小さいです。
そのため気管支に到達し気管支喘息を発症することもあります。

 

5.秋の花粉症の診断と検査

アレルギーが起こる原因物質の特定などを行います。
他の疾患との鑑別も行います。

◆問診

問診は患者さんが詳しく症状をみていないといけません。
それによりある程度病気の状態を把握できます。
メモなどを用いてなるべく詳しく把握しておきましょう。

・きっかけ
花粉症状が始まった時期や場所。

・症状の程度
どういった症状がどの程度発症しているか。
時には花粉症の重症度を把握するために日記をつけてもらうこともあります。

・家族歴
身内の方がかかっている病気

・既往歴
今までかかった病気

◆鼻汁好酸球検査

鼻汁の中にいる好酸球の量を検査します。

◆血液検査

血液中の特異性IgE抗体の量を検査します

◆スクラッチテスト

抗原(アレルゲン)を皮膚に垂らし反応をみます。

◆X線(レントゲン)検査

副鼻腔などに異常がないか検査します。

 

6.秋の花粉症の鑑別疾患

花粉によるアレルギー症状でない場合も多くあります。
また、他のアレルギーが重複している場合もあるため、鑑別や原因物質の特定は重要となります。

★【春秋共通】それ本当に花粉症?症状で区別する疾患TOP4(←より詳しく知りたい方はこちら)

◆ハウスダスト・ペットなどの他のアレルギー

アレルギーの原因物質は多くあります。
それらの鑑別をし、原因物質を特定しなければ治療や対策の方法が異なります。

風邪(感冒)

ウイルスへの感染でも同じような症状を起こします。
風邪と花粉症の症状は似ているためしばしば勘違いされています。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔の細菌感染などにより鼻水・鼻づまりなどの花粉症と似た症状を伴います。

 

7.秋の花粉症の一般的な治療

花粉症の治療法は対症療法と根治治療に分かれます。
しかし花粉症に対する根治治療はまだ確立されていません。

◆対症療法

・点鼻薬
対症療法ですが、一時的に鼻の症状を抑えます。

・点眼薬
対症療法ですが、目のかゆみを抑える薬など

・内服薬
アレルギー症状を抑える薬を処方されます。

 

◆根治治療

・アレルゲン免疫療法(減感作療法)
ごく少量のアレルゲン(原因物質)を反復して皮下や舌下に投与します。
原因物質に対して過敏に反応しないように治療します。
治療期間は最低でも2年ほどです。

・舌下免疫療法
舌下に薄めた花粉エキスを毎日スプレーします。
アレルゲンに対して過敏に反応しないようにするための治療です。

・鼻レーザー手術
アレルギー症状を起こしている鼻粘膜にレーザー光線を照射します。
鼻粘膜を機能させなくする手術です。

上記した治療法以外にもありますが、花粉症に対する確立した治療法はありません。

 

8.秋の花粉症の一般的な対策

★秋と春の花粉症対策のすべて(←より詳しく知りたい方はこちら)

◆抗原の回避

・ゴーグルやマスク
目や鼻に花粉が入らないようにします。
完全でなくとも花粉の流入量を減らします。

・室内に花粉を持ち込まない
衣服なども花粉の付きにくい材質にし、室内に花粉が入らないようにします。
また室内に入る際は粘着テープなどで花粉を落としてから入るようにします。

主にナイロン素材・ポリエステル・レザーなどの革製品が比較的つきにくいです。

・空気清浄機や加湿器

空気清浄機で浮遊している花粉を除去します。
さらに加湿器を使い、室内の花粉を湿らせ浮遊しないようにすると良いです。。

◆その他の対策

・生活習慣の見直し
自律神経の乱れにより症状が悪化する場合もあります。
睡眠不足や過労などがある場合は見直しましょう。

・鼻洗浄(鼻うがい)
頻回に行うこと、水道水での洗浄は良くありません。
鼻うがいに用いる生理食塩水は33度程度が良いでしょう。

・冷却
目は表面にあるため、冷却により一時的にかゆみを抑えます。

・症状の変化を把握する
薬の効果や治療の効果を把握する意味でも毎日症状の変化を把握しましょう。

 

9.東洋医学的対策【タイプ別】

★【鼻水・鼻づまり】花粉症対策も風邪も東洋医学タイプ分類で万全!

 

関連記事:

★【春秋共通】それ本当に花粉症?症状で区別する疾患TOP4(←より詳しく知りたい方はこちら)

★風邪(感冒)を早く治す?薬?【よく分かる風邪の基本】(←間違い易い疾患)

★副鼻腔炎(蓄膿症)の症状・原因・治療(←間違い易い疾患)

★アレルギー性鼻炎とは?症状・原因・治療を分かり易く解説(←間違い易い疾患)

★アレルギー性結膜炎とは?症状・原因・治療を分かり易く解説(←間違い易い疾患)

 

※内容に誤りや情報が古いなどありましたらお手数ですがご一報ください。

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