めまい, 耳鳴・難聴

突発性難聴の原因・症状・治療まとめ

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1.突発性難聴とは

感音性難聴の一つである「突発性難聴」は、ある日突然片方の耳が聞こえにくくなったり・耳が詰まる感じがする・めまい・耳鳴りなどを発症する病気で、
40~50歳に多い疾患とされていましたが最近では若年者や高齢者にもみられます。

2.耳の構造について

まず耳の構造を簡単に解説します。

 

耳は外耳・中耳・内耳の三つに分けられます。
1.音は外耳道から入り、鼓膜に振動が伝わります。(外耳)
2.鼓膜の振動は、鼓膜にくっつく骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)に伝わります。(中耳)
3.骨に伝わった振動は、リンパ液で満たされた蝸牛に伝わり、リンパ液の揺れを有毛細胞がキャッチします。(内耳)
4.感覚細胞は揺れを電気信号に変換し、神経を通して脳に伝わり「音」として認識します。(内耳)

 

3.耳の病気の分類

難聴と言っても様々な原因から起こります。
大きく分けて外耳・中耳・内耳のどの部位が障害されるかによって、「伝音性障害」と「感音性障害」に分類されます。

 

 

外耳・中耳の障害によって発症する難聴を、「伝音性難聴」と言い、
内耳や脳に伝える神経などの障害により発症する難聴を「感音性難聴」と言います。

両方の障害が混合したものを「混合性難聴」と言います。

今回は感音性難聴の一つである「突発性難聴」について説明します。

 

4.突発性難聴の原因

現在、明確な原因は解明されていません。

考えられる原因としてあげられているものが、

・ウイルス感染説

・内耳循環障害説

・ストレスや疲労などの偏った生活習慣によるもの

とされています。

・ウイルス感染説

風邪にかかっていた人が多いことや、おたふく風邪・はしかなどのウイルス感染によって難聴症状が起こる場合があります。
また、一度かかると再発しない(体に免疫ができるため)ことから、ウイルス感染説が考えられています。

・内耳循環障害説

内耳につながる血管に塞栓ができたり、血管の痙攣により内耳の機能障害が起こる。
抗凝固薬や血管拡張薬がしばしば効果があることから、
内耳循環障害説が考えられています。

・ストレスや疲労などの偏った生活習慣によるもの

近年では精神的なストレスや肉体疲労が続いた時期に難聴が発症したこともあり、ストレスや疲労などが原因ではないかと考えられています。

以上の説はいずれも確証が得られず、はっきりとした結論に至っていません。

 

5.突発性難聴の症状

・突然片方の耳が聞こえにくくなる(まれに両方の耳にも起こる)

・耳が詰まった感じがする

・めまいが起こる

・耳鳴りがする

等の様々な症状があります。

 

6.突発性難聴の一般的な治療方法

原因が分かっていないため治療法もはっきりと決まっていません。

一般的に、安静と薬物療法です。

薬物療法

炎症を抑えるステロイド薬
血管を拡張する薬
血液の粘度を下げて流れをよくする薬
ビタミン剤などが処方されることが多いようです。

高気圧酸素治療(HBO、Hyperbaric oxygen therapy)

一人もしくは数人で入る装置の中で、大気圧より高い気圧(2〜3気圧)で高濃度の酸素を一定時間吸うことで様々な症状を改善する治療法です。
血液中に溶解する酸素の量を、高圧にすることで増やします。

高気圧酸素治療の適応に突発性難聴があります。
内耳への血液循環をよくすること、浮腫の軽減などで効果が出ることが期待されています。

高気圧酸素療法 全国実施病院一覧

日本高気圧環境・潜水医学会「突発性難聴:高圧酸素治療エビデンスレポートPDF」についてはこちら

突発性難聴と補聴器

メカニズムからいうと、補聴器は伝音性障害に適しており、感音性障害である突発性難聴には最適ではありません。
しかし補聴器で補える場合には、補聴器・クロス補聴器を装用することがあります。

 

 

7.突発性難聴と鑑別疾患

外リンパ瘻

メニエール病

聴神経腫瘍

音響外傷性難聴

低音障害型感音難聴

老人性難聴

その他にも外耳・中耳の障害による難聴など、様々な疾患との鑑別が必要です。

 

8.予後と後遺症

予後

3割の人が完治し、3割の人に症状が残り、3割の人は改善が見られないままです。
2.3か月以上聴力に変化がない場合は改善しにくいとされています。

注:予後とは病気の将来的な状態、見込みという意味です。

 

後遺症

治療後症状に変化がなかった場合は、耳鳴り・めまい・難聴の症状が残ります。

突発性難聴は再発することが極めて少なく、再発した場合は他の疾患を疑います。

 

 

 

 

※内容に誤りや情報が古いなどありましたらお手数ですがご一報ください。

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